NATROMのブログ

ニセ医学への注意喚起を中心に内科医が医療情報を発信します。

2006-01-01から1年間の記事一覧

ホスピスは嫌

最近、緩和ケア病棟への入棟を拒否する患者さんが続いた。患者さんの言い分は概ね以下のようなものである。 「あの病院へ入院したら退院できない。入院した知り合いはみな、1ヵ月もせずに亡くなってしまった」まあな。そもそも余命が1ヵ月以下の人が入る病…

なかなか死なないカブトムシ

8月の終わりごろ、チビの保育園の集まりで、山でお泊り会を行なうということになった。打ち合わせのときに、バナナトラップでカブトムシを採った話を妻がしたところ、お母様方が興味を持たれたとのこと。というわけで、バナナ担当の役目を仰せつかった。まあ…

なかなか死なないカブトムシ

高齢の父親は自閉症のリスクとなる

■父親高齢ほど自閉症増加 米調査、遺伝子情報関連か*1(西日本新聞) 【ワシントン5日共同】5日付の米紙ワシントン・ポストは、父親の年齢が高いときに生まれた子供は若い年齢の父親に生まれた子供に比べ、自閉症になる可能性が高くなるとの米マウントサイ…

冥王星の発見物語

冥王星が新しい定義では惑星ではなくなるというニュースが最近あった。「冥王星はパーシヴァル・ローウェルの弟子のトンボーが苦労して見つけた」というのが私の冥王星に関する知識。私の非専門分野の自然科学の知識は、多くはアシモフの科学エッセイに由来…

電気ストーブで化学物質過敏症

■化学物質過敏症についての掲示板および■東京高裁が化学物質過敏症を認定?(Do you think for the future?)経由。 ■電気ストーブで化学物質過敏症 ヨーカ堂に賠償命令*1(産経) 東京都内の男子大学生(22)らが「電気ストーブが原因で化学物質過敏症に…

産科医の減少は逆選択の結果か?

少なくとも臨床医の間では、日本の医療制度の将来についての危機感は共有されていると思うのだが、医師の間だけであれこれ言いあっていても建設的ではない。ブログに書くことで、他の業種の方々に少しはこの問題について知ってもらえればうれしく思う。官僚…

さりん!!この中に入らないで下さい

確かに入ると危なそうだな。

さりん危険

インチキ医療の実例

■インチキ医療がなくならない理由で述べたように、比較対照試験を行なう努力をしない治療者を信用するべきではない。実例を挙げる。バイオプレートは、下あごのズレを矯正するマウスピースのことで、バイオクリニックの主張によれば、「下あごのズレは、脳に…

インチキ医療がなくならない理由

最近、立て続けにインチキ医療を擁護する人と議論した。彼らの言い分は、体験談および「効かない治療法なら廃れているはずだ」という理屈。「臨床的にも成果を生んでいるからクリニックが成立している」「殆ど効果のないものが医療機関で使われるとは考えら…

ブドウ糖がグルコースになる

「食育」の理念には賛同するけれども、食育を勧めている人たちの中にはちょっと科学的知識がアヤシゲな人もいるのが気になる。 ■脇清美さんに聞く…食生活の「自律」が大切(読売) 朝食に穀類が望ましいのは、その中に含まれるブドウ糖が、体内で脳の栄養源…

ひどい内容のブログ

愛育病院での鉗子分娩の死亡事故に関連して、医師のブログを批判したブログがあった。黒川滋氏による、■きょうも歩くというブログである。 ■医師たちのブログの内容に絶句 それを辿っていくと、リンクのリンクぐらいであたる医師のブログの内容がひどいこと…

金印の正しい使い方

昨日は素晴らしい休日であった。チビの自転車乗りの練習に付き合ったときは暑くて死ぬかと思ったが、すぐにセミ採りになったし、午後からは冷房の効いた博物館で吉村作治のエジプト発掘展を見た。夕食は、近所の店でうまい餃子をたらふく食べ、ビールを飲ん…

終末期患者を実験台にする非道医師

昨日の記事に関連して。 ■湘南のJOHN LENNONの独り言 今日の読売新聞の記事で気になったことがあった。記事の内容では、終末期患者「延命施さず」病院の56%となっている。恐らく真実に近い数字だろう。小生の身内や知り合いに医療関係者が何名かいるが、以前…

延命措置の「中止」と「差し控え」

■終末期患者「延命施さず」病院の56%…読売調査(読売) がんなどで終末期を迎えた患者に対し、人工呼吸器を取り外す、当初から装着しないなど、延命措置の中止や差し控えを行ったことのある病院が56%に上ることが、読売新聞社が全国の医療機関に実施し…

インフォームド・コンセントのコスト3 医師の良心を補完するイタコ

インフォームド・コンセントのコストについては、以前にもとりあげた(その1、その2)。説明のための文書や時間といった目に見えるコストの他に、患者が効かない代替療法に流れたり、必要な検査を受けなかったりといった不利益が発生するという趣旨である…

昆虫食がゲテモノ扱いされるのはなぜだろう?

前回のエントリーではカブトムシを捕まえたというほのぼのとした話題を扱ったのに、コメント欄ではいつの間にか虫を食べる話題になってしまっていた。ずいぶん以前に読んだ、■昆虫食はいかが? (ヴィンセント・M. ホールト著)を思い出した。「19世紀末に書…

カブトムシ大量ゲット

今年もカブトムシを捕まえてやろうと、昨日、バナナトラップをしかけた。ストッキングは古くなったのを妻からもらった。バナナは、黒くなり叩き売られていたのを、3本100円で買った。バナナトラップはストッキングにバナナを入れ、木に結んでおくだけ。勤務…

バナナトラップでカブトムシゲットだぜ

気功で化学物質過敏症が完治

とても素晴らしいサイトを見つけたので紹介するよ。 ■大明気功 体験談 横浜の著名気功院で重度の化学物質過敏症と電磁波過敏症がほとんど完治の状態に 私は、2年半前から重症の「化学物質過敏症」「電磁波過敏症」で、一時は北里研究所病院の再診で、有機農…

子猫対チビギル

うちに縦横深さ1×2×0.3 mくらいの浅いプラスチック容器があり、砂を入れて砂場にしている。普段は雨よけおよび猫よけのフタをしていたのだが、今度の大雨でフタが壊れて水浸しになってしまった。チビもあまり砂遊びをしなくなり、この際バイオトープにしてみ…

ぐりとぐらとくるりくらに出てくる謎の物体について

「ぐりとぐら」という絵本は有名だから知っている人もたくさんいるだろう。のねずみの「ぐり」と「ぐら」が、大きな卵を見つけて、カステラにして森の動物たちみんなで食べるという話だ。森の動物たちの中には鳥や亀などの卵生の動物もいたけど、その辺は大…

前方後円墳?

ところでこの写真を見てくれ。こいつをどう思う? 前方後円墳の「後円?」 佐賀県七山付近をドライブしている途中に妻が見つけたのだが、自然にできた丘にしては妙に形が整いすぎている。もしかしたら古墳?と思ったけど、別に掲示も何もない。裏に(という…

言論ファシズム

昨日の続きだよ。医学・疫学に対して鋭い指摘をした「経済屋」Count-Basei_Bandさんのブログより。 ■Let's smoke!(墓の中からコンニチワ) (Commentsの5番目に臨床医学者の見解を紹介してあります。要するに「商業主義」の「擬似科学」)■Shall we smoke!…

「経済屋」のキビシイ統計の水準

「経済屋」であるCount_Basie_Bandさんのブログに、医学界に対する鋭い指摘があったので紹介します。 ■Let's smoke!(墓の中からコンニチワ) タバコを吸うと肺ガンになるという怪説が登場して随分長い年月が流れました。しかし、納得できる統計は未だに示さ…

『コンピューター』バトン

id:wadjaさんから「お題バトン」が回ってきた。私は「コンピューター」についての質問に答えればいいらしい。「パソコンまたは本棚に入っている『コンピューター』に関するものは?」とか、「特別な思入れのある『コンピューター』に関するものは?」とかの…

聖地の近況

数年前は、医師の勤務条件が悪いことを口にしても、たいていの非医療従事者の反応は、「嫌なら辞めれば」「他の仕事だって大変なのだ」というものであった。開業医と勤務医の区別がつかず、大学病院のイメージは「白い巨塔」そのままで、外来に出ていないと…

パルプンテ鳥越

ホークスに、鳥越裕介という選手がいる。守備には定評があるが打撃はいまいちだ。ホークスファンでなければ名前も知らないという人も多いだろう。しかし、その成績とは裏腹に、ごく一部の人たちの間で人気は高い。参考:■そこで鳥越神話ですよ今年は若手に押…

七夕祭り

チビの保育園で七夕祭りがあった。七夕であるから当然、笹に短冊などつるしてあるのだが、これがなかなか面白い。ウルトラマンメビウスになりたいだの、プリキュアになりたいだの、縄跳びが上手になりたいのだの、何とかが欲しいだのいうのに混じって、 セレ…