NATROMのブログ

ニセ医学への注意喚起を中心に内科医が医療情報を発信します。

2007-01-01から1年間の記事一覧

死生観と医療崩壊

内科勤務医の春野ことりさんによるブログ、「天国へのビザ」の■患者の皆さん、あきらめてくださいというエントリーが注目を集めている。95歳の認知症の男性の消化管出血による貧血に対して輸血をオーダーするも、血液不足のためオーダーを取り消さざるを得…

自分の首を絞める喫煙者

先日、回らないほうの寿司屋に行った。完全禁煙であることを前もって確認していた。5〜6席程度のこじんまりとした店で、分煙は不可能であろう。先入観もあったのかもしれないが、たいへん満足できた。煙草を楽しみつつ寿司を食べたいという人もいるだろうか…

網 vs. 自然選択

漁業資源の保護の方法の一つとして、網の目の大きさの規制がある。適切な網目の大きさを設定すれば、網からすり抜けた小さな個体がいずれ成長して資源は保たれる。しかし、進化論を考慮すると、漁業資源管理の上で問題が生じうるらしい。生存競争の点から、…

花粉症を治す唯一のもの?

■瀬戸弘幸ウォッチで紹介した■健康と美を優しく語るブログ 優健美館*1にて、せと弘幸先生は今度は「アメリカにおける花粉症対策」として、花粉の錠剤を紹介していた。これが危うい内容であった。実は「経口免疫寛容」という概念はあって、アレルゲンを経口的…

線引きは許されないのか?薬害肝炎訴訟

フィブリノゲン製剤によってC型肝炎感染者が多数でた薬害事件について、「線引きは許されない。一律救済を」と原告側は主張している。 ■肝がん、肝硬変は4000万円=薬害肝炎訴訟の和解骨子案(時事通信) 汚染された血液製剤でC型肝炎に感染したとして、患者…

たばこは無添加でないと健康に悪い

「無農薬・無添加の健康に良いタバコ」という冗談はあったけど、実際に存在しているのを見ると感慨深い。 ■無添加!*1 ※無添加なたばこ 通常の紙巻きたばこにはなんらかの添加物が使用してあるようですが、ここで紹介するのは、たばこ葉に化学添加物を使用し…

生体移植の規制強化案

民主・社民両党の有志議員が生体移植の規制を強化する臓器移植法改正案を衆議院に提出したというニュース。 ■生体移植の規制強化へ、民主・社民の有志議員が改正案提出(読売新聞・強調は引用者による) 民主・社民案では、生体移植の臓器提供者を親子、兄弟…

マクドナルドはエサだけど

今年の夏休みのことである。市営地下鉄で「ちかまるきっぷ」なる「小学生が地下鉄1日乗り放題で100円」となる乗車券を売っていた。これだけでもかなりお得感があるのだが、さらに「マクドナルドハンバーガーの無料引換券」がついてくるのだ*1。たしかハ…

低学歴ほどダーウィン進化論を信じない

■米国人が信じるのは「進化論」より「悪魔」(ロイター)というニュース。「地獄や悪魔を信じる人は62%」に対し、「ダーウィンの進化論を信じていると答えたのは全体の42%」という結果だったため、かような見出しになっている。以前の調査と比較しても…

ゴキブリをも愛する虫屋

■わっ、ゴキブリだ! 盛口 満 (著) 妻はゴキブリが大嫌いなのに、なぜかこういう本を買う。ゴキブリを駆除する方法が載っている本ならまだわかるのだが、この本はナチュラリストによって書かれたもので、実用的なことは載っていない。著者の盛口満は、他にも…

若者の献血離れが深刻

山口県のニュースを、痛いニュース(ノ∀`)が取り上げた。 ■痛いニュース(ノ∀`):若者の献血離れが深刻…原因も対策も分からず 県内で若者の献血離れが止まらない−。 1996年度に3万8367人だった10−20代の若年層献血者が、2006年は1万5742人…

瀬戸弘幸ウォッチ

■ナノ食品を売る右派政治家でも紹介した、「極右を自称する日本で数少ない政治運動家の一人」*1であるところの瀬戸弘幸氏。ナノゼリーを売ることはあきらめたようだが、「健康食品や加工食品、あるいは化粧品など人間の健康と美容全般に渡って意見の交換を行…

初音ミクが歌う医療崩壊

最近、いろんなところで初音ミクって名前を聞くなあ、なんなのかなあと思っていたところに、幻影随想別館にて■初音ミクのクオリティに驚愕したというエントリーを読んだ。ありのまま起こった事を話すと、いつのまにかニコニコ動画のプレミアム会員になってい…

鍾乳洞で神を見た

はてなフォトライフを始めました。そこで、こないだ秋吉台に行ったときに撮った、神が存在する証拠の写真をうpしてみます。 クラゲの滝のぼり ヌードル触手を明らかに認めます。昔の人は神(FSM)を知らなかったので、クラゲに見立てたんですねえ。こちらが…

病院は原則受け入れよ。聖地・福島のニュース

■「病院は原則受け入れ」福島、搬送遅れ受け決定(産経ニュース) 福島市で乗用車にはねられた女性の搬送先の病院が約1時間決まらず、約6時間後に死亡したことを受けて、福島市や消防、市内の病院などでつくる「福島市救急医療病院群輪番制運営協議会」は…

中の人などいない!

■変な学術研究 1 (ハヤカワ文庫) エドゥアール・ロネ (著), 柴田 淑子 (訳) 妻が買ってきた。「ハトによるモネとピカソの絵画の鑑別」「1998年サッカー・ワールドカップ大会でフランスが優勝した日における、フランス人男性の心筋梗塞による死亡率の減少」…

インフルエンザ・ワクチンを受けたよ

動画サイトなどでキャラクターの異常な行動がタミフルと称されることがある*1。たとえ実際にタミフルと異常行動に因果関係があるとしても、かような表現は問題であるのだが、どっちにしろ規制は無理だ。あえて良かった探しをすると、「インフルエンザにかか…

混合診療解禁で保険診療が縮小されるのはガチ

本日(2007年11月15日)の日本経済新聞の1面トップは「規制改革会議 混合診療、全面解禁迫る」であった。 厚生労働省は「混合診療を全面的に認めると、医療の安全性が確保できない」と強く反発している。しかし規制改革会議は保険診療と保険外診療を併用でき…

カイロプラクティックでみるみるγGTPが

「黄色」が電磁波から身を守るで紹介した山口純子先生による診療でγGTPが下がったという体験談を見つけた。この方は、「音楽業界に13年間勤務」して「毎晩のようにお酒を飲んでた」ところ、γGTPの値が677に。正常値はだいたい50以下である。医師からは、「1…

「黄色」が電磁波から身を守る

さて、今回紹介するのは、調布カイロプラクティックオフィスのカイロプラクター、山口純子先生*1の仮説です。ストレスであなたの骨がゆがんでいます!という著作*2を書かれており、それだけでもちょっと アレ気 期待大なのですが、骨を歪ませる電磁波から身…

シロアリの階級を決める遺伝子

シロアリのカーストを決める遺伝子が発見されたんだと。 ■シロアリ:遺伝子が階級決定(毎日新聞) 集団を形成して巣を作るシロアリには「働きアリ」や「女王アリ」など役割に応じた階級がある。こうした階級を決める遺伝子が存在することを茨城大などの国際…

ご一緒にビタミン注射もいかがですか?

混合診療を認める判決が東京地裁で出て話題になった(■混合診療解禁訴訟(新小児科医のつぶやき)、■[司法までもがアメリカ型医療を歓迎?]混合診療導入へ?(東京日和@元勤務医の日々)など)。mixiなどでの一般の方々の反応は賛否両論で、「画期的」「…

神と科学は共存できるか?

宗教家と無神論者を4タイプに区別したこういうジョークがある。 ■信仰心と無神論の計算の違い(らばQ)。(原文:■Today's Math Lesson (The Primate Diaries)) ●原理主義宗教家 2+2=5だと信じている。その理由はそのように書かれているから。 税金…

老衰の「発病」はいつ?

まずは新聞記事の引用から。 ■誤診めぐり遺族が病院を提訴 (新潟日報) 柏崎市の刈羽郡総合病院(小林勲院長)で刈羽村の男性=当時(90)=が腹膜炎で死亡したのは、医師が誤診して見落としたからだとして、男性の遺族が29日までに、同病院を運営する県厚生…

老衰の「発病」はいつ?

老衰死は増えているか?

地下に眠るMさんによる医学的にみて純然たる老衰死ってあるの?という質問にインスパイアされて、老衰死の割合および経時的な増減を調べてみた。残念ながら純然たる老衰死の割合は不明であり、ここで論じるのは死亡診断書の死因の欄に「老衰」と書かれたも…

経口摂取の同意書

■損賠訴訟:入院患者の遺族、水ようかん摂取が死因 病院ミス否定−−鳥取地裁 /鳥取(毎日) 訴状によると、男性は03年10月上旬、肺炎などで同病院に入院した直後から医師に絶食を指示された。ところが同月中旬、担当の看護師が水ようかんを食べさせた約…

O型は肉を食え?血液型別ダイエットは根拠なし

やせる方法にも科学的根拠のあるものからトンデモなものまでいろいろだ。たとえば血液型別ダイエットなんてものまである。ちょいとGoogle検索してみたら、まあ予想できるように上位はほとんど肯定的なページである。中には科学的な考証をしたページもあって…

タバコはジャガイモや水道水より安全?

■るいネット((URL:[]http://www.rui.jp/[]))という「新しい認識を求める人のサイト」がある。「30年の実績を持つ企業・類グループを中心に管理・運営」されているのだそうだ。以前、るいネットの人たちと議論する機会があったが、彼らの認識が新しすぎて私がつ…

勤務医の主張

■医療の限界 ■誰が日本の医療を殺すのか―「医療崩壊」の知られざる真実 勤務医による、医療崩壊を論じた本。内容は概ね医療関係のブログで言われているようなことなので、普段からそうしたブログを読んでいる人はわざわざ買って読む必要はない。匿名でない情…