NATROMのブログ

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地域医療

村で唯一の常勤医が辞職したのが、けっこう大きなニュースに。

■泉崎村唯一の常勤医が辞職(アサヒコム)


  泉崎村立病院に今月1日に就任したばかりの院長(49)が辞職したことが27日、村議会全員協議会に報告された。村立病院の院長は同村でただ1人の常勤医。村では院長宿舎を改修し、引っ越し費100万円を用意するなどして迎え入れたばかりだっただけに、戸惑いを隠せないでいる。村は当面、高齢を理由に退職した元院長(70)に院長代行を依頼するという。
  辞職した院長は、宮城県内の私立病院の勤務医だったが、前院長(40)が今春、泉崎村に辞意を伝えたのを知り、自ら後任を申し出てきた。8月下旬に採用され、今月1日に正式就任した。
  だが、院長は22日、小林日出夫村長に辞意を伝え、24日に辞表を提出した。休日に呼び出され、当直も週5回つけられるなど、「肉体的、精神的に限界」という内容だったという。
  しかし、村によると院長は実際に当直勤務をしたことはなかったという。「勤務の大変さは説明したし、すべて分かって来たはず。甘く考えていたのでは」と反論する。


■福島・泉崎村立病院 期待の新院長、1ヵ月で退職(河北新報)


 小林日出夫村長は「事情を理解して引き受けてもらったと思っていたので驚いている。入院患者もいるのに、猶予期間もなく辞めたのは理解できない」と話している。
 村は嘱託医の元院長(70)を院長職務代理者にして診察を続けるとともに、新たな院長を探し始めた。「入院患者と、かかりつけの外来患者の診療には当面影響はない」としている。
 村によると、浜崎さんは22日に突然、村に電話で辞意を伝えた。驚いた幹部が事情を聴きに出向いたが、「もう限界。勘弁してくれ」と、明確な理由は述べずに退職願を提出。25日には村を後にした。
 ある幹部は「診療時間の短縮を求めたり、それほど多くない夜間の呼び出しに応じないことがあったりと、当初からトラブルがあった。自分の思うようにならないのと、周囲から孤立したのが原因では」と推測する。
 27日の村議会全員協などでは「あまりにも村民をばかにしている。悪い夢を見ているようだ」と憤る声が聞かれた。


■泉崎村立病院・院長が辞表提出−−「肉体的、精神的に限界」(毎日新聞)


 この医師は、前院長の辞意表明(2月)を報道で知り、宮城県蔵王町の私立病院の勤務医から院長就任を申し出て、8月下旬から勤務していた。辞表の理由は(1)休日も呼び出される(2)履歴書に「当直は週1回まで」と書いたが週5回をつけられた(3)勤務態勢の改善を求めたがはねられた――としている。常勤医師が院長一人の職場環境を問題視しているようだ。
 一方、村幹部は「すべて納得済みで来てもらったと思っていた」と驚きを隠せない。村は院長のため、病院そばの院長用宿舎を450万円かけて改修し、引っ越しの支度金100万円を用意した。小林村長は「赴任から1カ月もたっていない。新院長をリーダーに出直そうと考えていた矢先だけに残念」と話す。

これを機会に、地域医療に関心が向き、問題が少しでも解決するといいですね(優等生的発言)。それにしても、「週5回の当直」ってなかなかすごい。並たいていではない。当直の翌日も、別に休みではない。だからといって診療時間の短縮を求めると、「当初からトラブルがあった」と言われる。休日も休みではない。いったい、いつ休むのであろう。「勤務の大変さは説明したし、すべて分かって来たはず。甘く考えていたのでは」との村長の言葉であるが、そんなことで後任の医師が見つかるのであろうか。