抗癌作用を持つとされるカイジ(槐耳)という漢方薬があるそうだ。中国では評価が高く、日本でも「カイジ顆粒研究会」ができたとのこと。
■日本統合医療学会主催『カイジ顆粒研究会』(ガンの辞典 編集長の『取材日記』)
続いて、星野恵津夫先生は「カイジ顆粒と臨床の実際」というテーマで、患者さんに対する「さらなる一手」として、国際的に一定の評価のある「カイジ顆粒」の有用性を観察の報告です。補助療法として何らかのサプリメントの摂取希望のあった末期重症患者20例に対し、その効果を観察されました。「カイジ顆粒」の1日服用量は、患者さんの認容性と希望にしたがったため、9g〜60gまでの幅がありました。(カイジ顆粒は患者さんが自費で購入)対象患者さんのガン種は多岐にわたり、下咽頭癌肺転移、甲状腺癌肺転移、食道腺癌肺転移、胃癌肝転移、大腸癌肝転移、盲腸平滑筋肉腫、腎盂癌肺転移、尿管癌肺転移、浸潤性膀胱癌、腎盂膀胱癌肺転移、卵巣癌直腸浸潤、乳癌多発骨転移、浸潤性膵癌、膵癌肝転移、肺癌脳転移・胸膜浸潤など、現代の西洋医学的癌治療で対応が困難となった症例がほとんどでありました。しかし、そのうちの一部は漢方治療に加え「カイジ顆粒」を服用することにより、1年程度の延命が可能となり、中には癌が完全に消滅したと考えられる患者も存在しました。(このデータは三年半かけたものです)
はいそこ、ざわざわしない!
_ _ _,. -‐-`' ``'‐、,.‐'"´,. =ニ` ,.‐'"´ __`ヽ / ``''‐、 . / `''‐、 i , /i 、 ヽ‐-ヽ . ! /| /| / ! .!ヽ..ト、 、.ヽ | /''l/、l/_, l/ _,.ゝ' ゝ、 iヽ! ちょっと待て・・・・! | ノ`''‐ 、._/ /_, ‐'´ !.\! ! ,.-、 r' =。=== _ ,=。===,! そのいいことって・・・・ / { ‐、!| ` ー-‐' '' \--‐' ! . / !( r||. r __ \'/| 症例報告 /. ,、 ゙ー'|!、 ,..-‐───; 7゙│ 記述的研究の話か・・・・・・? /_,./ l │\ `ー-----‐'´/!\i  ̄ .! 1 l ヽ、 ー一 ./ | |`'‐、 いらないっ・・・・・・・・! | i、 l. ヽ、 / | .| `'‐、 . | ヽ i ヽ、.イ │ | おまえのその話は . | |ヽ !. | ! ! .| 聞き飽きた・・・! | |. ヽ. i、 | W1 │ | ,. ‐'´\|ヽi.ヽ、 ノ|/`‐、 ! !.‐'´ | `'ー-‐' .| \!
この手の話は山のようにあるので、現在のところは話半分に聞いておいたほうがよい。何にでも効くという主張がかえって信憑性を損なっているように思える。とはいえ、ホメオパシーとは違い、何らかの薬効成分は含んでいるのだろうから効く可能性はある。詳細不明ながらも、末期肝臓癌の老年患者を対象とした比較対照試験も行われているようだ*1。あまり質は高くなさそうだけど、それでもないよりまし。
最終的には、二重盲検下の無作為化比較試験を行わないと、本当に効果があるかどうかは判断できない。しかしながら、あらゆる治療法について質の高い比較試験を行うのはコストがかかりすぎて現実的ではない。最初は症例報告でもいいし、対照群なしの研究でもよい。そうした臨床データを積み重ねて、効果のありそうな治療法をピックアップして、コストがかかるが質の高い研究を行えばよい。これは別に代替医療に限らず、標準医療の範囲内での新しい治療法でも同じことが言える。元ネタの関係からアスキーアートではカイジには「症例報告はいらないっ・・・・・・・・!」と言わせたが、これはカイジのほうが間違っている。症例報告は必要だ。ちゃんと臨床データを出そうとしている「カイジ顆粒研究会」は評価できる。というか、症例報告すらしないレベルの代替医療がクズ過ぎるだけなのではあるが。