NATROMのブログ

ニセ医学への注意喚起を中心に内科医が医療情報を発信します。

医者はどこだ

4月から、私の勤務する病院では内科医が1人減った。(本当は2人減る予定だったのであるが、それはいくなんでもあんまりであろうということで、どこかをどうにかして半年だけの約束で1人医師を確保した。)内科も分野別に細分化されていて、1人減った直接の影響は私にはまだないが、減った分野*1の先生はそれはもうたいへんそうで、当然他の医師も手伝うべきだしその気もあるのではあるが、余裕のないことにはヘルプもしようがないというわけで、とにかくもうたいへんなのである。あの先生がダウンしたらどうなるのであろうか。よしんば頑張れても、9月からもう1人内科医が減る予定であるのだが、そしたらどうなるか。「院内ドミノ」という言葉が脳裏をかけめぐる。

状態の悪い患者さんが2人ほどいたために、金曜の朝からずっと病院に泊まり込みで、日曜の夕方に家に帰りついた。別にずっと起きていたわけではなく、断続的には睡眠も取れたのだが、今日の入院は3人で、また別に状態の悪い人もいて今日も家には帰れそうもなく、今週末は当直だったりするのはやはりどうにかしてほしい。この病院で特に私が忙しいというわけではなく、もっと忙しい先生方もいくらでもいる。小児科・産科の忙しさについては、ようやくマスコミでも話題にされている。


■小児科医、夜の診療平均13人 36時間連続も(朝日)


 それによると、診療時間後から午後10時までの「夜間帯」に医師1人が診察した患者は平均8.1人。午後10時から翌朝6時までの「深夜帯」は平均5.2人だった。最も多いケースでは、夜間帯に26人、深夜帯で39人を、それぞれ1人の医師が診ていた。
 宿直・夜勤の回数は月平均4.5回で、最も多い医師で月15回。24時間以上連続しての勤務は平均2.4回で、最も多い人では月10回にのぼった。宿直や夜勤が明けた後も勤務を続けている医師は約7割で、最長で36時間働き続けていたケースもあった。
 一方、宿直時の診療に対し、労基法で定める割増賃金など宿直手当以外の手当を支給していた病院は半数にとどまった。

一晩の当直だけで連続勤務は36時間になる。36時間が最長ってことはなかろうと思うが、ちょっとでも休むと連続勤務ではないということになるのであろうか。それから、ちりんさんも指摘したことであるが、


■明けは休み(ちりんのblog)


当直明けで休みになるところが3割もあることに驚いていたりする。

単に、金・土の宿直明けが、名目上では休みということ(2/7=約0.29)ではないかという指摘が2ちゃんねるでなされていたぞ。

*1:要するにこれまで2人だったのが1人になった