NATROMのブログ

ニセ医学への注意喚起を中心に内科医が医療情報を発信します。

検診の有効性に関する誤解

過剰診断に関する誤解と別にしておいたほうがいいだろう。

  • 誤解:検診によって5年生存率が改善すれば、検診は有効だ。
  • 事実:リードタイムバイアスやレングスバイアスがあるので、5年生存率の改善は検診の有効性の判定には使えない。
  • 誤解:検診によって早期がんを多く発見することができれば、検診は有効だ。
  • 事実:リードタイムバイアスやレングスバイアスがあるので、早期がんの発見数の増加は検診の有効性の判定には使えない。
  • 誤解:エコーのような侵襲性のないがん検診なら害はない
  • 事実:がん検診の害のうち、検査に伴うものは一部である。偽陽性、過剰診断に伴う害は侵襲性のない検査であっても防げない。