「タバコと肺癌の因果関係は証明されていない」という主張はもはや陳腐すぎて、単体では取り上げる価値はない。しかし、「因果関係が証明されていないにも関わらず、なぜタバコ有害論が幅を利かせているのか」という考察について、新しい主張を発見したので紹介する。電波浴場として評価が高まりつつあるYahoo!知恵袋の、喫煙有害説に懐疑的なuzukitさんの発言から。
■uzukit氏に質問です。(Yahoo!知恵袋)
私はタバコ=害とされる情報に関して、「製薬会社から資金提供を受けると過大評価するから」って話が成り立つ、と基本的に考えて居ます。
#なにせ、害で有るとしなければ、薬を作る正当性がないので&ガンは自然発生的に起こりうる病気なので、がん予防した所でなる物はなるので、抗がん剤の需要が0になる事は有りません。
正直、何を言っているのかよくわからなかった。この時点では、「喫煙とは別に癌には主要な原因(大気汚染など)がある。真の癌の原因を知られ、対策をされて癌が減ってしまうと抗癌剤が売れなくなってしまう。そうなっては困るので、真の癌の原因から目をそらすために本当は害がそれほどないタバコをスケープゴートにした」という主張かと思っていた。これも、わりとよくみかける主張である。ところが、そういうことではなかったらしい。ご本人のブログより。
■ROと関係ない話 − 続き?▼8/5追記(ざ・まいのり亭) 魚拓
また、日本を除く世界の保健機関で受動喫煙が害で有ると報告書をまとめあげたのは、アメリカとフランスでしたっけ、その2カ国になります。その中でも積極的だったのが、アメリカでしたよね。
そして、最初に禁煙補助剤を市販向けに提供したのは、ジョンソン・エンド・ジョンソン、本社がアメリカの会社です。
他にも大体がアメリカに本社を置く会社が作って居ます。
煙草の税金は、その国にしか落ちません。
しかし、商品を売りあげた事による利益はその本社の有る国に落ちます。
そして、癌とは、自然発生する病気ですが、必ずしも発生する病気ではありません。
発生する/しないの波が有る「抗がん剤」で利益を確保するよりも、何百年の間、禁煙政策をしてもいつの間にか無くなってしまう「煙草」を悪役に仕立て、それを止めさせる薬を作る事が出来れば、長きに渡って安定的な収益が得られる。
製薬会社にとって、煙草を悪役に仕立てる事は、大義名分を守った上での利益の確保をする上でうってつけの商材だったのですよ。
だから、これほどまでに、時間とお金を惜しまずネガティブキャンペーンを張れた。
私の理解が間違っていなければ、「禁煙補助剤を売るために製薬会社によってタバコは悪役に仕立てられたんだよ!!」ってことだよね?
,.ィ , - 、._ 、 . ,イ/ l/  ̄ ̄`ヽ!__ ト/ |' { `ヽ. ,ヘ N│ ヽ. ` ヽ /ヽ / ∨ N.ヽ.ヽ、 , } l\/ `′ . ヽヽ.\ ,.ィイハ | _| ヾニー __ _ -=_彡ソノ u_\ヽ、 | \ 禁煙補助剤を売るために .  ゙̄r=<‐モミ、ニr;==ェ;ュ<_ゞ-=7´ヽ > 製薬会社によって . l  ̄リーh ` ー‐‐' l‐''´冫)'./ ∠__ タバコは悪役に仕立てられたんだよ!! ゙iー- イ'__ ヽ、..___ノ トr‐' / l `___,.、 u ./│ /_ . ヽ. }z‐r--| / ト, | ,、 >、`ー-- ' ./ / |ヽ l/ ヽ ,ヘ _,./| ヽ`ー--‐ _´.. ‐''´ ./ \、 \/ ヽ/ -‐ '''"  ̄ / :| ,ゝ=< / | `'''‐- 、.._ / !./l;';';';';';';\ ./ │ _ _,> '´|l. ミ:ゝ、;';';_/,´\ ./|._ , --、 | i´!⌒!l r:,=i . | |:.l. /';';';';';|= ヽ/:.| .|l⌒l lニ._ | ゙ー=':| |. L._」 )) l. |:.:.l./';';';';';';'! /:.:.| i´|.ー‐' | / | |. ! l . l. |:.:.:.!';';';';';';';'| /:.:.:.:!.|"'|. l' │-==:|. ! ==l ,. -‐; l |:.:.:.:l;';';';';';';';| /:.:.:.:.:| i=!ー=;: l | l. | | / // l |:.:.:.:.:l;';';';';';';'|/:.:.:.:.:.:.!│ l l、 :| | } _|,.{:: 7 )) l |:.:.:.:.:.:l;';';';';'/:.:.:.:.:.:.:.:| |__,.ヽ、__,. ヽ._」 ー=:::レ' ::::::|; 7 . l |:.:.:.:.:.:.l;';';'/:.:.:.:.:.:.:.:.:.|. \:::::\::::: ヽ ::::::!′ :::| .:/ . l |:.:.:.:.:.:.:∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.! /ヽ::: `::: :::: ....::..../
すごいや。予想の斜め上だった。喫煙と肺癌の関係は1920年ごろから疑われ、1950年ごろには喫煙と肺癌に関する相関関係を示す疫学調査があったのだが、そのころから製薬会社は金を出していたのか。遠大な計画だ(当時の研究は製薬会社と無関係だと言うのなら、製薬会社の紐付きでない喫煙の有害性を示す研究の存在を認めざるを得なくなる)。また、喫煙に害がないのが真実であれば、中立的な研究者が追試すれば喫煙と肺癌は無関係という結果になる。きっと、製薬会社は、喫煙の有害性を示す研究に金を出すのみならず、喫煙の無害性を示す研究が発表されないよう、圧力をかけていたのでしょう。お金がかかりそうだ。
企業が資金を提供することにより、研究が歪むことがあるのは事実である。と同時に、どんなに強大な企業であっても、あらゆる医学雑誌に影響を与えることなどできないのも事実である。常識的な医学者であれば、企業Aに有利な論文が発表されても、資金源に注意し、結論を参考にしつつも他の研究が出るまで鵜呑みにしない。複数のグループが追試して同様の結論に至れば、結論は確からしいとみなされる。uzukitさんは、喫煙の有害性を示す研究がどれだけたくさんあるのか知らないのだろう。そもそも、そんなにたやすく医学界をコントロールできるのであれば、タバコ会社はいったい何をしていたのか。ニコチン依存が形成されればずっと喫煙を続けるのに対し、禁煙補助剤は一時的なものである。また、当たり前のことであるが、喫煙補助剤の顧客は常に喫煙人口よりも少ない。タバコ販売で得られる利益のほうが、喫煙補助剤で得られる利益の方よりずっと大きい。仮に喫煙の有害性が捏造されたものであったとするなら、タバコ会社は、禁煙補助剤を売るために遠大な計画を遂行しつつあった製薬会社がかけるコストの何十分の1かで、喫煙の無害性を示す研究を発表できたであろうに。きっと、タバコ会社が無能だったんですね。
それから、煙草を止めさせる薬は「長きに渡って安定的な収益が得られる」と言っているが、これだけ喫煙の有害性が周知された現状から考えるに、禁煙補助剤が将来にわたって売れるとはとても思えないが。少なくとも、癌に対する治療薬のほうがずっと見込みがある。(ちなみに、『発生する/しないの波が有る「抗がん剤」』って、私はぜんぜん意味がわからないのだけど、どなたか理解できます?) uzukitさんによれば「製薬会社が裏で糸を引いていてもなんらおかしくも無い」という世界保健機関(WHO)が、子供の喫煙を防止するキャンペーンを行っているのはなぜ?新しく喫煙をはじめる人がいないと禁煙補助剤は売れないよ?それともカモフラージュなの?世界保健機関(WHO)以外にも、喫煙の有害性を指摘している公的機関はいくらでもある。「商品を売りあげた事による利益はその本社の有る国に落ちます」ってことは、製薬会社の本社がない国が禁煙を勧める理由はないはずだけど。煙草の消費が減って税収は落ち、禁煙補助剤の売り上げの利益はアメリカに持ってかれるのに、禁煙を勧めるって一体…。他の国の公的機関は製薬会社によるネガティブキャンペーンにすっかり騙されているってことかな。騙されないuzukitさんはとても優秀ですね。
「製薬会社によるネガティブキャンペーン」説は、いろいろ応用が利きそうだ。「糖尿病は放置しても有害でないが、薬を売りたい製薬会社によるネガティブキャンペーンによって悪役に仕立てられた」「慢性ウイルス性肝炎は放置しても有害でないが、薬を売りたい製薬会社によるネガティブキャンペーンによって悪役に仕立てられた」「癌は放置しても有害でないが、薬を売りたい製薬会社によるネガティブキャンペーンによって悪役に仕立てられた」。いや、最後のは実際に存在するか。千島学説やマクロビ系のトンデモさんは、「癌は汚れを集めて命を守る、感謝すべき細胞だ」などと主張する。uzukitさんと同レベルだ。
反論があればコメント欄にでも。別に承認制じゃありません。■たとえ優れた報告だとしても正しく理解されないと意味がない(azure blue)経由のネタでした。