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余が脚気ミカン療法

医学論文を探すのに、いまではPubmedなり医中誌なりのデータベースがある。雑誌によってはネット経由でフルテキストを入手できる。もう空気のように当たり前になっているけれども、考えてみれば超便利。文献検索システムを作った人は偉い。さて、脚気について調べ物をしているとき、戦前の文献を調べる必要があったのだが、当然、医中誌は使えない。検索対象年が1983年からだからだ。そんなときに頼りになったのがこれ。







日本ビタミン文献集(1884-1960)

結構ぶ厚い


脚気に関する項目もちゃんとあり、当時の論争を垣間見ることができる。あまりオブラートに包んだりしなかったようだ。





名指しで批判


「○○君らの非を諭す」ってフレーズは上から目線でいい感じだ。今度使おう。こんなのもある。





余が脚気ミカン療法


って、あんた暴れん坊将軍か。と思ったけど、当時の論文では、一人称として「吾人」「著者」と並んで「余」はよく使われていた。


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