NATROMのブログ

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もう一人のチャールズ・ダーウィン

■「功名が辻」セリフに時代考証ミス(デイリースポーツ)


ミスがあったのは豊臣秀吉の妻高台院(浅野ゆう子)が「うちの人が亡くなって10年、関ケ原の戦から3年」と言った場面。秀吉の没年は1598年で、放送シーンは1603年の設定だったため「死んで5年」が正しかった。放送当日に視聴者から指摘があって間違いに気が付いた。


よく気付いたよな。秀吉が何年に死のうが私には別にどうでもいいが、気にする人もいるのだろう。それはそれとして、今、「■世界でもっとも美しい10の科学実験」を読んでいるのだが、その本に以下のような記述がある。


■世界でもっとも美しい10の科学実験(P255)


 ラザフォードのある日曜日の晩餐会に客の一人として招かれたチャールズ・C・ダーウィンは、そのときのことを回想して、ラザフォードは実に嬉しげにこう語ったと述べた。「想像していたものが目で見えるかたちで示されるというのは、実に気持ちのいいものですな」。

ラザフォードはアルファ線を金属にぶつける実験で原子の内部構造を明らかにした物理学者である。実験そのものは1910年ごろにおこなわれ、それを回想しているわけだから、引用のシーンは1910年以降。ちなみに、「種の起源」を書いたチャールズ・ダーウィンは1882年に亡くなっている。えーと、計算合わないよね。時代考証ミス?それにしても時代が離れすぎている。いくらなんでもおかしいので、ちょいと調べてみたら、以下のようなページを発見。


■S. チャンドラセカールとノーベル物理賞強調は引用者による)


ここで、いよいよブラックホールの存在が、幾人かの研究者から、提唱されることになった。ブラックホールというのは、巨大な質量が極めて狭い空間の中に閉じ込めらているときにできるもので、その存在は理論的には、一般相対論でしめされている。しかし、理論上存在するということと、それが現実に存在することとは、おのずと別の問題である。進化論で有名なチャールズ・ダーウィンの孫で、理論物理学者のチャールズ・ダーウィンは、きわめて興味深い論文を発表している。


ダーウィン一族は科学者が多いが、同姓同名までいたとは。チャールズ・ダーウィンと書いたら普通に「進化論」のダーウィンだと思うだろ。注をつけてくれればいいのに。それとも、ミドルネームで”C”がついたら、「理論物理学者」のダーウィンだと分からないといけないのだろうか。