代替医療批判に対して、『最近の日本では「命が絶対大事教」が権勢を誇っている』『敬虔なキリスト教徒なら「神に召された」と考えるでしょうね』などと主張する人がいた。文脈からは、『日本では代替医療によって子供が死んだら大騒ぎするが、海外では「神に召された」と考えるであろう』というようなことを言いたいらしい。ホントかな?
私の認識では、医療ネグレクトの認識においては日本は後進国で、他の先進国では医療ネグレクトに対する法的介入の制度は日本よりも整っている。
日本民法の親権法は,前述したように,きわめ
て広範な権限を親権者に認める点と,親権者の親
権行使に公的介入をする準備がない点で特徴的で
ある。西欧法では親権者の重要な代理行為にあら
かじめ裁判所の許可を要件とするのが一般的であ
るが,日本法には西欧法にみられるこのような子
の保護規定がない。
Pubmedで検索してみると、アメリカ合衆国において、1989年に既に、白血病のため輸血が必要な17歳の子の輸血拒否に対し、国が臨時の代理人を任命して輸血を承認したケースがある。
■In re E.G. [North East Rep Second Ser. 1989] - PubMed - NCBI
「輸血しないと死ぬ」というような生き死にがかかっているケースではなく、予防接種拒否のような「マイルド」な医療ネグレクトに対して、オーストラリアは厳しかった。「州最高裁が両親に予防接種を受けさせるよう命令した」そうだ(■B型肝炎ワクチンとホメオパシー)。日本では考えられない。