NATROMのブログ

ニセ医学への注意喚起を中心に内科医が医療情報を発信します。

「粘着」しているのは誰か？（2011年11月10日追記）

2011年11月10日に、Zarathustra1951-1967さんがこのようなブックマークコメントをしました。

http://b.hatena.ne.jp/Zarathustra1951-1967/20111110#bookmark-66849921より引用


発端は、癌患者に対してCT検査を勧めたところ「放射線を浴びてガンになったらどうするんだ！！俺はガンだけは絶対にいやなんだ！」と拒否したという朝日新聞のコラムについて、study2007さんが異議申し立てしたことにあります。この異議申し立ては正当性があると考えます。私自身は、この件については特にコメントはしていません。にも関わらず、Zarathustra1951-1967さんは上記引用したようなブックマークコメントをしました。Zarathustra1951-1967さんは、「なとろむは激怒した：2010年案への反対に粘着」「なとろむは構わずに粘着を続けた」と書いています。だが、はっきり言わせてもらえば、Zarathustra1951-1967さんのほうこそが私に対して「粘着」していると感じています。

経過については、Zarathustra1951-1967さん自身のブログ■2011-10-31 - Zarathustra1951-1967の日記にある通りです。あらためて、順番にまとめてみます。

  • ２．Zarathustra1951-1967さんが、同記事に対して、「安易に賛成してるブコメにゾッとした。年収800万台の人のグリベック負担、現状で軽すぎますか!? 年収をもっと多段階化する事と長期半永久的支出に対しての更なる減額が無ければ【考慮あるみたい；報道しろ!】絶対反対」とのブックマークコメント。


ブックマークコメントで賛否が分かれることはよくあることです。この時点では、「まあそういう意見もあるだろう」ぐらいに見ていたように記憶しています。

  • ３．Zarathustra1951-1967さんが私に対するidコール付きで■お金の切れ目が命の切れ目 - NATROMの日記に対して、「給与所得800万(手取30万台後半位?)だと高額療養費でも自己負担額は月額15万に一挙に跳ね上がる。更にそれを18万に上げようとする試算報道にid :NATROMは賛成している」とブックマークコメント。


「がん患者経験者が自分の要求を細々と伝えようとしているだけ」とZarathustra1951-1967さんは書いていますが、だったらわざわざidコール付きでかようなコメントをするでしょうか？わざわざidコールするぐらいであるから、返答もしくは議論を求められていると考えました。これは無視するほうが不誠実です。「自分の要求を細々と伝えようとしているだけ」とは現時点でも思えません。Zarathustra1951-1967さんは、「なとろむ激怒」「怒りに狂ったNATROM」と書いているが、実際のやり取りをみて読者は判断して欲しいです。


Zarathustra1951-1967さんは「攻撃的な調子」と感じたようです。ブックマークコメント欄では字数制限のためにぶっきらぼうになることがあります。Zarathustra1951-1967さんは以前からはてなブックマークのユーザであるので、その点は十分に承知しているであろうと私は考えていました。字数制限のない議論を希望するのであれば、Zarathustra1951-1967さんはブックマークでidコールをするのではなく、コメント欄に書くという選択肢もありました。


Zarathustra1951-1967さんは正当にも「こちらからも訊いて、話を続けてしまったのは大失敗だった」と書いています。この時点では、Zarathustra1951-1967さんが「がん患者の現実に直結する不安を述べただけ」だとは私は考えていませんでした。現時点で振りかえっても、そのようには読めません。普通によくある議論だと考えていました。私の記憶では、Zarathustra1951-1967さんに対する当時の私の評価は、「ニセ科学批判に批判的な論者ではもっとも信頼できるうちの一人」というものでした。異なる意見を持っていたが、建設的な議論が可能な論者とみなしていました。患者だとはみなしていませんでした。


メタブックマークでの議論も、はてなではよくあることです。


Zarathustra1951-1967さんが一方的に「会話する気はありません。時間と労力の無駄」と宣言しました。Zarathustra1951-1967さんが書かれた■医療：高額療養費見直し試算に関しての備忘録 - Zarathustra1951-1967の日記は、現行の高額療養費制度の問題点のよいまとめとなっています。Zarathustra1951-1967さんは、やはり正当にも「ここでの致命的失敗：この書き方では、まるでNATROMに反論するためにブログを書いたように読めること」と書いています。私とまったくやり取りのなかった人が、このようなエントリー書いたとして、「財源は？」などとはわざわざコメントしないでしょう。しかし、議論（少なくとも私はZarathustra1951-1967さんとは建設的な議論が可能だと考えていた）を行っていた論者から「時間と労力の無駄」と言われれば（「お前とは建設的な議論はできない」と批判されたと私は受け取った）、反論ぐらいしてもいいでしょう。


ブックマークコメントだけでは不十分であると考えたので、当初はZarathustra1951-1967さんのブログにコメントをしようとしました。しかし、コメント欄がなかったため、当エントリー（0010-11-04付けになっているが、実際には2010年11月4日に書いた）を書いた上で、通知のつもりでブックマークコメントしました。


以上が、1年前のやり取りです。「NATROMという医師にネチネチと絡まれた」とZarathustra1951-1967さんは書きましたが、実際のところは以上のような経過です。もうこれで終わりだと思っていましたが、■2011-10-31 - Zarathustra1951-1967の日記にて言及されました。直接のきっかけとなったのは、■asahi.com（朝日新聞社）：女性と病気　リンパ浮腫：２　がん取りきれず子宮摘出 - 患者を生きる - アピタル（医療・健康）の記事に対する私のツイートであるようですが、わざわざ1年前のことを蒸し返したのは、Zarathustra1951-1967さんのほうです。その後も、引用した2011年11月10日付のブックマークで示したように、Zarathustra1951-1967さんのほうから言及されました。いったい、「粘着」しているのはどちらでしょうか。