NATROMのブログ

ニセ医学への注意喚起を中心に内科医が医療情報を発信します。

私も、「上から目線」を反省してみました

「上から目線」を反省してみました(Liber Studiorum)を読んで、私も反省しました。
私もアカデミックな議論にかぶれて、人間としての温かい心を忘れてしまっていたようです。
他人に対して「お前にこそ馬鹿の壁がある」なんて言葉を投げつけるなんて、氷のハートです。心を入れ替えて、人に対する共感と同情心にあふれた文章を書くことにしました。
以下がその文章です。


養老孟司さんのこと


養老さんの対談、読ませていただきました。残念だけれど、「おかしいな」と思うところがたくさんあって楽しく読むことができませんでした。
とくに疫学に関しては、「養老さん、もしかして、疫学がキライでワザとこんな風におっしゃってるのかな?」という気がして、チョッと哀しい気分になってしまいました。
だって、養老さんのおっしゃってることって、教科書レベルの知識でも間違ってるって分かるようなことばかりなんですもの。


もしかしたら、養老さん、本当に疫学の知識がなくて、こんなことをお話になってるのかなあ、とも思いました。
科学の世界も専門化が進んで、自分の専門外のことはよくわからなくなってるそうですね?
解剖学が専門の先生が疫学のことに無知でもしかたがないのかなあ?
けど、フツーの人たちは、医学部の先生なんだから信用できるって思ってるのに、そういう信頼を裏切るなんてヒドイ!って思ってしまいました。
他の学者の人たちが地道に研究しているのに、知ったかぶりして対談して、禁煙協会から「質問状」が来ても捨てるだけってなんてちょっとズルイと思います。


先生は煙草を吸ってらっしゃるんですか?
だったら、煙草の害を否定したい気持ちってよく分かるなあ。
害があるから煙草を止めろっていう人たちって、なんか「ファシズム」って感じ?
いまさら止められないのに体に悪いって言われたらとても不安になりますよね。
だけど、不安だからって、嘘を書いたりするのって、よくないと思います。
そういうのって、まじめに研究している人たちに対しても、失礼ですよね?


きっと、先生は煙草は害がないって信じたくって、こういう対談をされたんじゃないかなって思います。
そういう気持ち、私にもあるからよく分かります。
本当は、煙草は害がないって信じたいからって、いい加減なこと書いたりしゃべったりするのはいけないって、分かっているけど、つい不安に負けてしまったんですよね。
分かります。


だって、人間だもの!


「ポエムを書くのが趣味の女子高生16歳。眼鏡をかけた理系大学院生の姉、水からの伝言や江原啓之を信じちゃうところもあるおっちょこちょいな妹との3姉妹」というキャラ設定だそうです。