NATROMのブログ

ニセ医学への注意喚起を中心に内科医が医療情報を発信します。

みんなそんなに借金好きか?

もともと私にはクレジットカードを使う習慣はなかったのだが、ETCカードやアマゾンの支払いのために契約した。毎月カード会社から利用明細と一緒に送られてくる広告に、いかに「リボ払い」が便利で有用であるかが記載されている。「リボ払い」がなんなのか初めはよく分からなかったのだが、「リボルビング払い」の略で、毎月定額の支払いのことらしい。

支払額を定額、たとえば5万円と設定しておけば、7月に8万円の買い物をしたとして、8月の支払いは5万円だけでよく、残りは9月に持ち越される。要するに借金だ。便利なのかこれ。私の契約するカードでは8月分の支払いには手数料はかからないが、9月分には結構な手数料がかかる。調べてみたら「実質年率15.00%(月利1.25%)」とある。高い。

広告では、「夏休みに帰省やら海外旅行やらで出費がかさんでも、翌月の支払いは一定額におさまるから安心」的な書き方をしている。借金してまで海外旅行に行って何が安心だ。お金がないなら海外旅行は我慢しろ。貯金があるなら、高い金利で借金せずに一括で支払え。余分な手数料払って何が支払い名人だ。

事業のために借金するのは理解できる。「生活に困って」というのも分かる。しかし、海外旅行に行くために借金するというのは私には理解できない。消費者金融も同じだ。一時期、ガンガンCMが流れていたが、「遊びに行くのにちょっとお金が足りないから借りる」とか、「チワワが欲しいから借りる」とか、そんなのばっかりだった。いい大人なんだから、チワワは我慢しろよ。

企業が広告を打つからには、それなりの数の顧客がいるのだろう。どのような層が利用者なのだろうか。借金してとは言え、海外旅行に行ったりするからには、それなりの収入はあるのだろうか。それとも「海外旅行」「チワワ」はイメージ戦略に過ぎず、実際の利用者はもっと切羽詰まっているのか。