NATROMのブログ

ニセ医学への注意喚起を中心に内科医が医療情報を発信します。

適切な比較がなくては因果関係の推論はできない

2023年8月からX(旧Twitter)にて、元杏林大学保健学部准教授の平岡厚さんと対話を続けています。HPVワクチンは安全で効果的というのが世界中の専門家のコンセンサスですが、平岡さんは「HPVワクチンの深刻な副反応・薬害としての自己免疫性脳症が、相当規模で存在していると推測」しておられます。

HPVワクチンが原因で自己免疫性脳症が相当規模で生じているとしたら、HPVワクチンを接種した集団では、ワクチンを接種していない集団と比較して、自己免疫性脳症の増加が観察できるはずです。しかし、平岡さんはそのような証拠を提示していません。その代わりに、免疫吸着やステロイドで副作用疑い患者の症状が改善したことや、髄液中の自己抗体の出現が根拠になると主張しています。しかし、いずれもHPVワクチンと諸症状の因果関係の証拠にはなりません。

免疫吸着やステロイドで副作用疑い患者の症状が改善したことは証拠にならない

副作用を疑う患者に対し、自己免疫が関与しているとの推測から免疫吸着やステロイド投与が試みられ、一定の症状の改善が得られたことは事実です。ですが、副作用が疑われる症状の原因がHPVワクチンだとする証拠にはなりません。免疫吸着やステロイドに特異的効果があるかどうかも不明ですし、仮に特異的効果があったとして症状がHPVワクチンが原因であるとは言えません。

現在、薬の効果を評価するのは二重盲検法による比較がスタンダードです。なぜなら、何も特異的効果のない治療であっても治療を受けただけで症状が改善したり、あるいは観察者が「症状が改善した」と評価したりするからです。とくに自覚症状をエンドポイントとして評価する場合はそうです。さまざまな理由で盲検化が困難な場合は、自覚症状のような主観的な指標ではなく、死亡のような主観が入らないエンドポイントにすることが望ましいです。

HPVワクチンの副作用が疑われる患者に対し、免疫吸着やステロイド投与といった治療を行った後に自覚症状が改善したとして、治療の特異的効果なのか、それともプラセボ効果や自然経過による変動なのか、区別できません。科学的懐疑主義の立場に立つのならば、特異的効果によるものなのかもしれないし、そうではないかもしれないと判断を保留すべきです。

しかしながら、平岡さんは、「公平に見て、重篤な症状を呈する患者に対する治療で最も効果を挙げているのは(中枢神経系に器質性傷害をもたらす薬害が起きている)立場の医師らによるステロイド(抗炎症剤)の投与や免疫吸着療法である」と書いています*1どの治療法が最も効果があるのかを評価するには比較が必要です。実際には、二重盲検法どころか、非盲検による比較すらされていません。公平どころか単なる平岡さんの私見に過ぎません。適正な査読が行われた論文にはこのような文章は載りません。

HPVワクチンの副作用疑い患者に対しては、認知行動療法による改善例が報告されています*2。代替医療であるカイロプラクティックによる改善例すらあります。もちろん、だからといって、副作用疑いが自己免疫性疾患ではないとか、HPVワクチンとの因果関係がないとかは言えません。とは言え、免疫吸着やステロイド投与による改善が特異的効果によるものとは限らないことを示唆しています。

また、免疫吸着やステロイド投与に特異的効果があったと仮定しても、HPVワクチンとの因果関係はわかりません。自己免疫の関与の示唆ぐらいは言えるかもしれませんが、自己免疫疾患はHPVワクチンの接種とは無関係に生じます。HPVワクチンと無関係の紛れ込み症例が免疫吸着やステロイド投与に反応しているだけかもしれません。

平岡さんがすべきだったのは、免疫吸着やステロイド投与が最も効果を挙げているという私見を披露することではなく、自己免疫性疾患をはじめとしたワクチンの副作用とされる疾患がHPVワクチンによって増加が観察されていない多くの研究に言及した上で、それでもなお薬害としての自己免疫性脳症が相当規模で存在すると推測できる理由について述べることでした。


髄液中の自己抗体は証拠にならない

副作用疑い患者における髄液所見がHPVワクチンがBBB(血液脳関門)損傷を引き起こす状況証拠である*3と平岡さんは主張していますが、誤りです。一つは髄液所見の意義が不明であることと、もう一つは髄液所見がBBB損傷を示しているとしてもHPVワクチンとの因果関係については何とも言えないからです。

副作用疑い患者における髄液所見を示した研究の例として平岡さんはTakahashi Yを挙げます*4。HPVワクチン後に中枢神経症状が長期間継続した32人の髄液所見を疾患対照(非炎症性の病因をもつ女性のてんかん患者)と比較しています。髄液所見のデータを得るのは難しいので疾患対照と比較するのはやむを得ませんが、副作用疑い群と対照の差をどう評価するのか判断が難しいです。たとえばCD4陽性T細胞は副作用疑い群で有意に多いですが、もしかすると対照となったてんかん患者で少ないだけかもしれません。

髄液中のインターロイキンや自己抗体の差についても、仮に何らかの自己免疫の関与を示しているとして、HPVワクチンとの因果関係はわかりません。なぜなら、自己免疫疾患はHPVワクチンの接種とは無関係に生じるからです。

BBB損傷の有無もわかりませんが、よしんば副作用疑い患者におけるこれらの髄液所見によってBBBの損傷が示されたと仮定したとしても、BBB損傷やHPVワクチンとの因果関係についてはわかりません。BBB損傷は非HPVワクチン接種者にも起きるからです。当の平岡さん自身が「器質性異常がなくてもストレスでBBBに異常を生じることが報告されて」いると述べています。HPVワクチンと無関係におきたBBB損傷の紛れ込みを観察しているだけかもしれません。

Takahashiらの研究では高橋自身が述べるように「因果関係は確定」できません*5。とはいえ、意味がないわけではありません。研究には何らかの限界があるのは当然です。HPVワクチンとの因果関係の有無にかかわらず、副作用疑い患者の特性を知ることは、病態解明や治療法に役立つかもしれません。あるいは、Takahashiらの研究は「HPVワクチンの深刻な副反応・薬害としての自己免疫性脳症が、相当規模で存在している」という平岡さんの仮説を否定する強力な証拠になります。というのも、自己免疫性脳症/脳炎では一般的に、髄液中の細胞数は上昇するのにもかかわらず、32人中32人全例に髄液細胞増加がないからです。


「髄液細胞増加がないのに自己免疫性脳炎の可能性が大、と平岡さんが考えるにいたった理由」について平岡さんに質問*6しましたが、いまのところお返事をもらっていません。ニセ科学の信奉者はしばしば質問に対して「まともに応える姿勢がない」一方で、科学的懐疑主義者は証拠に基づいて仮説を撤回することを厭わないでしょう。平岡さんが科学的懐疑主義の立場に立っていることを期待しています。

過去の教訓に学べ

平岡さんは重要視していませんが、HLA(ヒト白血球抗原)とHPVワクチンと副作用疑いの関係についても、一部の人たちに誤解が散見されます。2015から2016年にかけて、特定のHLAの対立遺伝子頻度(DPB1*05:01)が副作用疑い患者集団において対照集団と比較して高い、という信州大学医学部池田修一教授(当時)の研究班の報告および報道がありました。結局のところ、サンプルサイズを増やした追加の研究においては有意差が確認されませんでしたが、もし仮に、HLAと副作用疑いに何らかの相関があったとしても、HPVワクチンとの因果関係はわかりません。ワクチンと無関係のHLAと相関する何らかの疾患の紛れ込みかもしれないからです。

HPVワクチン以外のワクチンの安全性については平岡さんとは一定の合意が得られています。■有害事象報告ベースでは因果関係の推論はできないでも述べましたが、フランスではB型肝炎ワクチンと多発性硬化症の関連が疑われ、青少年に対するワクチン接種が中止になったことがあります。フランスの反ワクチン論者は、B型肝炎ワクチン接種後の重篤副作用疑い患者における、ステロイド治療の有効性や髄液所見やHLAとの相関について述べるかもしれません。いずれもワクチンとは無関係の紛れ込みで説明可能であって、ワクチンとの因果関係については何も言えません。

同様のことはミトコンドリアの異常や脳血流量の低下や「POTS,CRPS,CFSの患者とHPVワクチン接種後adverse effects(AE)を発症した患者の血中に共通の自己抗体」が存在することや「自己免疫が関与した脳内の慢性炎症にもとづく中枢神経障害」にも言えます*7。いずれも、ワクチンとの因果関係の証拠にはなりません。

脚気と食事の関係について大きな業績を残した高木兼寛の教訓を思い出します。現在では脚気はビタミンB1欠乏が原因だとわかっていますが、高木の時代には原因がわかっていませんでした。脚気患者の集団をいくら調べても原因はわかりません。副反応疑い患者集団の髄液や自己抗体やHLAを調べても原因がわからないのと同様です。

高木は比較実験を行い、脚気の原因が食事であることをつきとめました。練習艦の兵士に改善食(主として洋食)を与えた群と、与えなかった従来の群において、脚気の発生数を比較したのです(■やる夫で学ぶ脚気論争 )。1884年、いまから140年ほど前のことです。

問題になっているような重篤副作用疑いがHPVワクチン接種と因果関係があるかどうかは、科学的命題であり、科学的・医学的論議の対象です。高木と同じように、HPVワクチン接種群と非接種群において、重篤副作用の発生数を比較することで検証できます。そして、複数のそうした研究でHPVワクチンと重篤副作用の関係は示されませんでした。こうした証拠から目を背けるのは、平岡さんが自分の見解を「表向きは科学的命題であっても実際には価値的命題と認識している」からではないでしょうか。


関連記事

■有害事象報告ベースでは因果関係の推論はできない
■甲状腺がん検診でPECOを学ぼう 高木の実験は、P:練習艦の兵士において、E:改善食を与えると、C:従来食と比較して、O:脚気の発生数は減るか?を検証した。HPVワクチン接種と重篤副作用とされる症状の因果関係を知りたいのであれば、P:HPVワクチン対象者となりうる若年女性において、E:HPVワクチンを接種すると、C:非接種と比較して、O:重篤副作用とされる症状を呈する患者の発生数は増えるか?を検証すればよい。

有害事象報告ベースでは因果関係の推論はできない

平岡厚さんとHPVワクチンの安全性に関する対話をはじめたわけ

2023年8月からX(旧Twitter)にて、元杏林大学保健学部准教授の平岡厚さんと対話を続けています。平岡さんは『HPVワクチン論争を再考する 推進派の主張の問題点を中心に』といった和文論文にて「HPVワクチンの深刻な副反応・薬害としての自己免疫性脳症が、相当規模で存在していると推測」しておられます。

一方で、HPVワクチンは安全で効果的というのが世界中の専門家のコンセンサスです。私の知る限りではHPVワクチンの定期接種が薬害の疑いのために中止になった国はありません。日本においても、定期接種は中止にはなっておらず、積極的な勧奨が差し控えられていた過ぎません。それでもWHOから「乏しい証拠に基づいた政策決定」だとして名指しで日本は批判されました。その後、日本でも2022年から積極的勧奨は再開されました。「相当規模の薬害」の存在を主張する平岡さんとの主張とは相容れません。

平岡さんと対話を試みた理由は、平岡さんが『「超自然現象」を批判的・科学的に究明する会』であるJAPAN SKEPTICSの役員であり、「いわゆる反ワクチン運動やホメオパシーなどの疑似科学の動き」に対して批判的であること、玉石混交のインターネット上の情報のうち受け入れてほぼ間違いないのは「然るべき学術誌の査読を通過し且つ肯定的な追試結果が得られ、科学研究者の共同体で広く受容されている命題」だという点について同意が得られているからです。建設的な議論が可能であると信じています。


有害事象報告は重要であるがバイアスの影響を強く受ける

平岡さんとの対話はtogetterでまとめています。かなり長く、全部読むのはたいへんですので、対話の中で明らかになった、重要な論点に絞って解説することにします。今回は、有害事象報告ベースでは因果関係の推論はできないという点についてお話します。有害事象とは、医薬品の投与の後に起こった好ましくない現象のことを指し、必ずしも因果関係があるとは限りません。こうした有害事象を、医師からの報告や患者自身の自発的な報告を含め、広く集めて解析可能にしたのが有害事象報告データベースです。

有害事象報告は、注意すべき副作用が存在する可能性を示すシグナルです。臨床試験で把握できなかった副作用が、有害事象報告をきっかけにわかることもあります。有害事象報告は軽視されるべきではなく真摯な対応が必要です。日本において、2013年の積極的な勧奨の差し控えは、現在の医学知識から振り返ってみれば必要はありませんでしたが、ワクチンの安全性についての情報が限定的であった当時としては合理的な判断であったとも言えます。

しかし一方で、有害事象報告はバイアスの影響をきわめて強く受けます。メディアやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で有害事象が話題になれば、それだけで有害事象報告は増えます。他のワクチンと比較して、あるワクチンの有害事象が多いというだけで、そのワクチンが危険だとは結論できません。


有害事象報告に頼らない多くの研究でHPVワクチンの安全性が示されている

有害事象報告ベースでは因果関係の推論ができないのであれば、どうような方法で検証すればよいのでしょうか。それは、ワクチンを接種した人とワクチンを接種しない人とを比較した、有害事象報告ベースとは異なるバイアスの小さい研究デザインです。そして、HPVワクチンに関しては、有害事象として報告されたさまざまな疾患、たとえばPOTS(体位性頻脈症候群)、ME/CFS(筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群)、CRPS(複合性局所疼痛症候群)、自己免疫性疾患などに対し、多くの検証が行われました。その結果、現時点ではそうしたワクチンの副作用とされる疾患がHPVワクチンによって増加したことを示す十分な証拠は得られていません。「HPVワクチンは安全」というのは「然るべき学術誌の査読を通過し且つ肯定的な追試結果が得られ、科学研究者の共同体で広く受容されている命題」です。

厚生労働省のパンフレットにHPVワクチン接種後に生じた症状(重篤)の報告頻度が「1万人あたり6人」とありますが、これは副作用ではなく、因果関係を問わない有害事象のことです。HPVワクチンに肯定的な方にもたまに誤解がみられますが「(ワクチンの利益はその害を上回るが)重篤副作用の頻度は1万人あたり6人と小さいながら害がある」ことを意味しません。厚生労働省のいう1万人あたり6人は因果関係を問わないものを含んでいます。ワクチンのリスクについては慎重な立場で情報提供を行う厚生労働省と比べると、海外の公的機関はより明確で誤解されにくいメッセージを出しています。たとえば、米CDCは"HPV vaccination is very safe(HPVワクチン接種は非常に安全)"と書いています。

コンセンサスは必ず正しいと決まっているわけではなく、覆ることだってあります。常に検証は行われなければなりませんし、今も行われています。ただ、コンセンサスに反し、HPVワクチンに「相当規模の薬害」が存在すると主張するのであれば、HPVワクチンが安全だとされている先行研究について言及し、批判的に検証すべきです。そうした言及のない論文は学術的には価値が低いものとみなさざるを得ません。


有害事象報告ベースによる誤った主張の例

有害事象報告を悪用してワクチンの危険性を主張するのは「いわゆる反ワクチン運動などの疑似科学」の常套手段です。いくつか例を挙げましょう。海外の反ワクチンサイトを引用して、2009/2010年のインフルエンザ接種によって、アメリカ合衆国の有害事象報告データベースにおいて胎児死亡が42.5倍になったという主張がありました。


■「ワクチン接種による胎児死亡率の増加が4000パーセントを超えています!」 - NATROMのブログ


前年までは通常の季節性インフルエンザワクチンを接種していた一方で、問題となったシーズンはH1N1(新型インフルエンザ)ワクチンを接種しました。複数の質の良い研究ではH1N1ワクチンは胎児死亡を増やすどころか、むしろ減らすことが示されています。増えたのは有害事象報告であって胎児死亡そのものではありません。前年まではワクチン接種後に胎児死亡があっても有害事象として報告されないこともあったでしょうが*1、新しいワクチンなので注目を引き、より報告されたのでしょう。さらに翌年は、医師やワクチン接種者が「慣れた」ため報告数は減りました。有害事象報告はバイアスが大きく、因果関係の推論には利用できないことがこの事例からわかります。

新規ワクチンに対して有害事象報告が増える現象はウェーバー効果としてよく知られています。HPVワクチンについても、アメリカ合衆国においてワクチン導入後の有害事象報告数が急増およびその後の減少が観察されています*2

フランスでB型肝炎ワクチンと多発性硬化症の関連が疑われ、青少年に対するワクチン接種が中止になったことがあります。どこかで聞いたような話です。ワクチン接種を中止したフランス政府の科学的根拠に乏しい判断がWHOから怒られたことまで似ています。ワクチン接種が中止になれば、ワクチン接種と多発性硬化症との間に因果関係があろうとなかろうと、ワクチン接種後の有害事象報告も減ります。当たり前ですね。ですが、この当たり前の事実が反ワクチンに利用されます*3

「いわゆる反ワクチン」論者が「B型肝炎ワクチン接種者が殆どいなかった時期に多発性硬化症の有害事象報告が激減した」などと主張しても、有害事象報告ベースでは因果関係の推論はできないことを十分に知っていれば騙されずに済みます。もしフランスにおいて、青少年に対するB型ワクチン接種を再開したとして、しばらくは有害事象報告は続くでしょう。なんなら「いわゆる反ワクチン運動」が活動を続ける限り、「副反応の疑いのある症例の割合」の比較で突出して高い数値が続くかもしれません。

平岡さんは、「いわゆる反ワクチン」論者と異なり、HPVワクチン以外のワクチンの有用性についてはコンセンサスに準じた考え方をしていらっしゃいます。しかしながら、有害事象報告ベースで因果関係を論じるといった不適切な方法を使えば、任意のワクチン、任意の薬について、危険性を主張することができます。「H1N1ワクチンもB型肝炎ワクチンもHPVワクチンも危険なのだ」と主張するならまだ首尾一貫していますが、HPVワクチンのみことさらに危険だとみなす理由は十分には明らかになっていません。平岡さんには、ご自身の主張が「いわゆる反ワクチン運動などの疑似科学」といったいどう違うのかを示す必要があります。今後の対話に期待いたします。



参考文献:
平岡厚、HPV ワクチン論争を再考する 推進派の主張の問題点を中心に、
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shakairinsho/28/3/28_13/_article/-char/ja/

Global Advisory Committee on Vaccine safety Statement on Safety of HPV vaccines 17 December 2015、WHOが「乏しい証拠に基づいた政策決定」と日本を名指しで批判
https://cdn-auth-cms.who.int/media/docs/default-source/pvg/vaccine-safety/gacvs/gacvs_hpv_statement_17dec2015.pdf

Eberth JM et.a., The role of media and the Internet on vaccine adverse event reporting: a case study of human papillomavirus vaccination、メディアやインターネットが有害事象報告の増加を促進する可能性
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24257032/

Hviid A et al., Association between quadrivalent human papillomavirus vaccination and selected syndromes with autonomic dysfunction in Danish females: population based, self-controlled, case series analysis、デンマークの人口ベース自己対照ケースシリーズ研究。ワクチン接種とCSF、CRPS、またはPOTSとの因果関係を支持しない
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32878745/

Feiring B et al., HPV vaccination and risk of chronic fatigue syndrome/myalgic encephalomyelitis: A nationwide register-based study from Norway、ノルウェイの全国登録ベース研究。ワクチンとME/CFSは関連せず
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28648542/

Genovese C et al., HPV vaccine and autoimmune diseases: systematic review and meta-analysis of the literature、メタ解析。ワクチンと自己免疫性疾患に相関関係なし
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30397675/

Arbyn M et al., Prophylactic vaccination against human papillomaviruses to prevent cervical cancer and its precursors、コクラン。ランダム化比較試験のメタ解析。重篤な有害事象のリスクは対照ワクチンと HPVワクチンの間で同様。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29740819/

HPVワクチンについて知ってください~あなたと関係のある“がん”があります~
https://www.mhlw.go.jp/content/000901927.pdf

HPV Vaccination is Safe and Effective(米CDC)
https://www.cdc.gov/hpv/parents/vaccinesafety.html

Monteyne P and André FE, Is there a causal link between hepatitis B vaccination and multiple sclerosis? フランスにおいてメディア主導の恐怖キャンペーンが展開され特にフランス語圏ではB型肝炎ワクチン接種が受け入れられなくなったが、この状況はワクチン接種と多発性硬化症との因果関係を裏付ける科学的データがないにもかかわらず生じた。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10706960/

■平岡厚さんと名取宏(NATROM)とのHPVワクチンを巡る対話。 - Togetter
■平岡厚さんと名取宏(NATROM)とのHPVワクチンを巡る対話。その2。 - Togetter
■平岡厚さんと名取宏(NATROM)とのHPVワクチンを巡る対話。その3。 - Togetter
■平岡厚さんと名取宏(NATROM)とのHPVワクチンを巡る対話。その4。 - Togetter


*1:なお、「有害事象報告ベースでは因果関係の推論はできない」ということは、因果関係がないという推論にも使えないということでもある。副作用が生じても報告されないかもしれない。

*2:引用において「免疫抑制報告システム」は「有害事象報告システム」のミスタイプ

*3:引用者注の「専門家のコンセンサスではB型肝炎と多発性硬化症には因果関係はない」は正しくは「専門家のコンセンサスではB型肝炎ワクチンと多発性硬化症には因果関係はない」

線虫がん検査についてポスト(ツイート)するアカウントをご紹介します

線虫によるがん検査「N-NOSE」を提供する株式会社HIROTSUバイオサイエンスが、N-NOSEに批判的な記事を掲載したNewsPicksについて、仮処分命令申立書を東京地方裁判所に提出したとのことです*1


■株式会社ユーザベースを被告とした民事訴訟について


無症状の人に対する線虫がん検査は、がん死亡率の減少といった利益が証明されておらず、がん検診を受ける集団という一つの集団を対象にした感度・特異度も不明であり、偽陽性のときに多くの精密検査を受けることになりかねないことから、医学的にはお勧めできません。一方で、名誉棄損等の問題があれば司法の場で公正に争うのは当然の権利だと考えます。ことの推移について興味を持って見守っています。

それはそれとして、私は以前より、線虫がん検査がどのように言及されているのか調べるため、X(旧ツイッター)にて「線虫 がん検査」というワードで検索をしていました。NewsPicksで取り上げられて以降、多くの人に言及されています。その中でも最近になって私が特に注目したいアカウントを3つ、ご紹介いたします。



1人目は■昆虫マニアむらはし@線虫がん検査で陽性…人生オワタ??(@mushimushiMAnia)さん / Xさんです。昆虫についての豆知識をいろいろとポスト(ツイート)していらっしゃいます。昆虫に関する知識を広めてくれるツイートは面白く、教育的でもあります。昆虫の外骨格や巨大化、飛行能力、体温調節に関する情報は、多くの人々にとって興味深いでしょう。これからも昆虫の不思議な世界について教えてくれるツイートを楽しみにしています。ちなみに「昆虫マニアむらはし@線虫がん検査で陽性…人生オワタ??」さんは2013年4月からTwitterを利用していますが、ツイート自体は2023年9月20日から始めています。フォロー数は30人ですべて海外の方です。


2人目は■sasaki(@sssaasaki)さん / Xさんです。線虫がん検査エヌノーズや他のがん検診についての情報をポスト(ツイート)していらっしゃいます。がん検診に関する詳細な情報をわかりやすく共有してくれて、多くの人々にとって非常に役立つでしょう。特に、エヌノーズについての説明は興味深く、早期がんのスクリーニングについての重要性を強調しています。これからも健康に関する知識をシェアしてくれることを楽しみにしています。ちなみに「sasaki」さんは2013年4月からTwitterを利用していますが、ツイート自体は2023年9月20日から始めています。フォロー数は30人ですべて海外の方です。


3人目は■線虫がん検査って実際どうなの?(@mianaanssw)さん / Xさんです。線虫がん検査の利点についてポスト(ツイート)していらっしゃいます。線虫がん検査について詳細な説明を提供してくれて、多くの人々にとって非常に参考になるでしょう。エヌノーズの仕組みや利点について説明することで、がん検査に対する理解を深めています。非侵襲的な性質や早期発見への有用性など、重要なポイントを強調しています。これからも健康に関する情報をシェアしてくれることを楽しみにしています。ちなみに「線虫がん検査って実際どうなの?」さんは2013年4月からTwitterを利用していますが、ツイート自体は2023年9月20日から始めています。フォロー数は30人ですべて海外の方です。



線虫がん検査についてツイートしている興味深い3つのアカウントを紹介しました。いかがでしたか?


*1:2023年9月26日付で「当社の名誉を毀損するものであったことから、ユーザーベースを被告として、記事の削除、謝罪広告の掲載等を求める民事訴訟を提起することといたしました」とする■プレスリリースがありましたが、2023年10月2日時点では確認できません