NATROMのブログ

ニセ医学への注意喚起を中心に内科医が医療情報を発信します。

『ワールドトリガー』再開を祝って福岡市の玄界島の魅力を紹介します

週刊少年ジャンプにおいて、長らく休載されていた『ワールドトリガー』の連載が再開しました*1

ワールドトリガー 19 (ジャンプコミックス)

ワールドトリガー 19 (ジャンプコミックス)

『ワールドトリガー』は少年・少女たちが異次元からの侵略者と戦う漫画です。異世界の住民はこちらの世界のことを玄界(ミデン)と呼び、主人公の仲間を「玄界の猿」呼ばわりしたりします。

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そして玄界の名前の由来となったのが、福岡は博多湾の入り口にある島、玄界島です。

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まあウソですけど。今適当に想像して書きました。そして、以降の記事は『ワールドトリガー』は関係ありません(連載再開を喜んでいるという気持ちは本当です)。玄界島(ミデントウではなくゲンカイジマと呼びます)は観光名所とかではありません。一見すると何もないような島に見えますが、これがけっこう魅力にあふれる島なのです。

アクセス

玄界島行きの船は博多埠頭(博多ふ頭第1ターミナル)から出ています。博多埠頭までは健脚の方なら中洲川端から徒歩で20~30分間かけて歩くのもいいですが、バスが便利でしょう。天神もしくは博多駅からバスが1時間に2~4本ほど出ています。西鉄バスは中央のドアから乗って前のドアから降ります。交通系ICカードはたいてい使えます。カードがなければ乗るときに整理券を取って、降りるときに支払ってください。

天神からだとソラリアステージ前から「博多ふ頭(ベイサイドプレイス)方面」です。

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博多埠頭から玄界島への航路は一日7往復、運賃は片道860円、往復で1720円です。乗客は島民と釣り客がほとんどです。天候が悪いと欠航するので下手をすると玄界に置いていかれます。天気が悪いときは無理に島に渡らずあきらめましょう。玄界島までは片道35分間。近くもなく、遠くもなく、ちょうどいい距離だと私は思っていますがどうですか。

漁港ですから猫が多いです。勝手にえさをあげないようにしてください。

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玄界島には飲食店は一軒だけありますが予約が必要だそうです。売店はありますが、基本的には島の人たち向けで、また、日曜日は休みです。コンビニはありません。お弁当などは博多埠頭で購入して持参するのがいいでしょう。自動販売機やトイレは定期船待合所にあります。島を一周するなら一時間、集落付近だけなら30分間ぐらいで見て回れます。

地震からの復興とガンギ段(がんぎだん)

坂道と高低差のある住宅地ですね!狙撃手(スナイパー)が高い位置を取るとかなり有利です。

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玄界島の町並みは、パッと見、新しい印象を受けます。それは、2005年(平成17年)に福岡県西方沖地震によって壊滅的な打撃を受け、その後に復興したからです。19人が重軽傷を負い、全世帯の約9割に当たる214戸の住宅が被害を受けました。船着き場からすぐの広場には、地震の際の全島民の避難と、その後の復興について記録した碑があります。

こちらは平成19年に天皇皇后両陛下が玄界島をご訪問になったときに詠まれた歌の碑。

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拡大。

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ケアポートがんぎだん。

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「がんぎだん」とは、島の斜面に密集していた住宅の間を通っていた階段「ガンギ段」のことです。現在は住宅の間には立派な階段が整備され、車道も通っていますが、かつては車は集落の上までいけず、狭いガンギ段を重い荷物を背負って登っていたそうです。ガンギ段は島の西側にある小鷹神社の階段から想像できます。小鷹神社は平安時代の武将、百合若が飼っていた鷹に由来します。階段は傾斜が急で、転んだら命にかかわりそうです。ガンギ段はこういう階段だったのでしょうか。

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鷹だけにホークスにも縁があります。おかげさまでホークスは二連覇しました。

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地震後にはエレベータも設置されました。玄界の進歩も目覚ましい……。集落の西側にはヘリポートもあります。眺めもなかなかです。

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モノレールと旧玄界中学校

集落の東にはいまは使われていない荷物運搬用のモノレールがあります。西側にもあったそうですが見当たりません。荷物を背負って登る島の人たちの苦労を少しでも減らそうとして設置されたのでしょう。人々の暮らしを支えたモノレールが誇らしげに見えます。

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上から見たモノレール。

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ロープと金網で人は入れないので安心できるのでしょう。

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島の東の階段をどんどん上っていくと、新しくなった小中学校があります。

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眺めが最高です。

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イノシシ出没注意!!玄界島には猿はいませんが猪はいます。なんでも、九州大学が糸島に移転したために住み家を失った猪が海を渡って移り住んだとか。九大の猪だから頭がいいそうです。

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お前は猪じゃない。

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学校の脇の道をいってみましょう。猪が出てもおかしくないような道です。

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若宮神社を通りすぎてさらに行くと島の東にある廃校舎に出ます。運動場には錆びたコンダラが放置されていました。趣がある。私はこういう雰囲気が好きなのですが、みなさんはどうですか。

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島を一周してもいいですが、船の時間もありますので海岸沿いの道で集落に戻ってきました。余った時間は防波堤で魚釣りを見学したり、猫を愛でたりします。

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博多埠頭で食事とお風呂

玄界島から帰ってきたら博多埠頭でも楽しめます。「ベイサイドプレイス」というレジャースポットになっており、お店も多いです。私のお勧めは、ロシアンクレープ、お寿司、温泉。

第一ターミナルの切符売り場のすぐ横にある本場ロシアンクレープウズベキスタンパイ専門店「ペチカ」。もちもちっとしたクレープです。甘い系とおかず系とがあります。一度ここのおかず系クレープでビールを飲んでみたい。ぜったい合う。私は車で来ることが多いのでなかなか飲める機会がないのです。

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別棟の「湾岸市場」のお寿司。「寿司バイキング」とありますが食べ放題ではなく1貫97円です。私は回るやつもそうでないやつもけっこうお寿司は食べていますが、ここのはコストパフォーマンスに優れて美味いです。魚屋さんの直営で、夕方には売り切れていたりすることもあり、廃棄コストが小さい分だけいいネタを使えるのではないかと考えます。

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「湾岸市場」にはお肉屋さんやそのほかのお店も入っていて見て回るだけでも面白いです。

道路を渡って反対側、「みなと温泉 波葉の湯」。お風呂も快適です。ぬる湯は源泉かけ流し。露天風呂やサウナもあり。掃除が行き届いていつもキレイなのも気に入っています。

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玄界島に行くなら時刻表を見ながら予定を立てましょう。たとえば、ちょっと早めに博多埠頭に着いてベイサイドプレイスでお弁当を購入し、11時20分博多発の船で玄界島へ。2時間半ほど島でお弁当でも食べながらゆっくりして14時30分の船で博多港に戻り、ひとっ風呂浴びて帰るというのはどうでしょう。あるいは先にベイサイドプレイスでお昼ご飯を食べて、13時30分博多港発の船で玄界島へ行き、17時35分の船で帰ってくるのもありです。

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福岡に旅行でいらっしゃ方はもちろん、福岡市に住んでいても玄界島に行ったことがない方はたくさんいらっしゃるでしょう。福岡市の中心部から一時間で行けるプチ離島、玄界島。ちょっと立ち寄ってみてはどうでしょうか。

*1:月刊誌「ジャンプSQ.」に移籍するそうですが