NATROMのブログ

ニセ医学への注意喚起を中心に内科医が医療情報を発信します。

そんな餌で大丈夫か?人工イソメを使ってみた

ふと気付けば、医学関係の記事ばかり書いている。昔は、魚を釣ったとか、つくしを摘んだとか、日常のことについてもわりと書いていたもんだ。なので、今回は、夏休みに人工イソメを使った話をする。みなさんは、人工イソメをご存じか。こんなのだ。





生分解性ハイテク 人工エサ ガルプ!


よく子供を釣りに連れて行くのだが、自宅からならともかく、旅行の最中に釣り餌を準備するのは面倒だ。がっつり釣るわけではなく、「釣れたら儲けもの」という気持ちで、まあ1時間ぐらいの釣りだし。山ならミミズを掘ればいい。海なら、これまでは、夕食に出たイカ刺しをとっておいたり、その辺の貝を潰したりしてエサにしていたのだが、これもそうそう手に入るわけではない。魚肉ソーセージを一度試したのだが、まあ釣れないことはないが、食い付きが悪い。餌持ち最悪。というわけで、釣り具屋でふと見かけた人工イソメを夏休みの旅行に持っていくことにした。値段もそう高くないし、常温保存可能とのこと。ちなみに、裏はこんな感じ。





「爆釣&常温保存でも長持ちで便利!!」と書いてある。


箱の中身はこう。





"Berkley Gulp! Outfishes All Other bait" 英語のパッケージ


この袋が折りたたまれて箱の中に入っている。これだけ見ると、普通のワーム(ソフトルアー)のように見える。私はときにルアーでの釣りもするのだが、ルアー釣りする人は、魚を「騙して」釣ることに意義を感じているのであって、強力な匂い付きルアーというのはちょっと違うのではないか。たくさん釣るためだけなら、「匂い付きルアー」ではなく普通の餌で釣ればいい。この商品は、「よく釣れるルアー」ではなく、あくまで「普通の餌の代替品」だ。普段ルアー釣りをする人は買わないし、餌釣りする人はパッと見た目がソフトルアーだとやっぱり買わない。推測だが、袋の状態では売上が悪く、包装を代えたのではないか。ちょっと野暮ったい箱に入れ、生き餌の棚に陳列すると、餌釣りする人が予備のために買う。

ただ、本当に釣れるのか。ネット上での評判を検索してみたが、いまいちよくわからない。まあ、「釣れたら儲けもの」だからいいか。人工イソメで釣れなければ、どこかでイカ刺しを調達しよう。早速、行きのフェリーの待ち時間の間に試してみた。海はすぐそこ。仕掛けは竿にセットしてあるから、釣り始めるまで3分もかからない。仕掛けは、普通のウキ釣り。さっそく釣れた。





アジ(すごく小さい)



メジナ(小さい)




タイ(すごく小さい)


比較していないから、普通の餌と較べてどうかということはわからない。しかし、ただのウキ釣りで釣れた。30分間で5〜6匹ぐらいだろうか。利点は、餌もちがいい。餌を取られるということがあまりない。しばらく使っていると臭いが薄くなって釣れなくなるような気がなんとなくするので付け替えていた。消費はそれぐらい。1日中釣っても、たぶん使い切れない。

欠点というか、臭いがけっこうすごい。いかにも魚が好きそうな臭いがする。「生エサに抵抗がある女性やお子様でも安心してお使いいただける」と書いてあるけど、臭いを気にする人は安心して使えないかも。少なくとも普通のソフトルアーとは全然違う。針につけたらとりあえず手を洗いたくなる。使用するときには、袋の上部のジッパーがきちんと閉まったのを十分に確認することをお勧めする。いい加減に閉めていたら、汁が漏れ出てひどいことになった。普通のソフトルアーは動きで食わせるが、人工イソメはウキ釣りでも釣れたので、やはり臭いが決め手なのだろう。

結論だが、人工イソメは、本格的な釣りならともかく、遊びの釣りなら大丈夫。問題ない。





夜釣りで釣れた。…何だっけ?→ネンブツダイでした。ブックマークコメントで教えて下さった方、ありがとうございました。