NATROMのブログ

ニセ医学への注意喚起を中心に内科医が医療情報を発信します。

竹炭結界

魔法陣まで行き着いてしまうと、後のネタに困る。今回は、小ネタ。


■竹炭 竹炭の効果*1(株式会社サクセス・アイ かぐや支援ネットワーク)


竹炭は、一時の竹炭ブームの後、最近になって炭素のナノテク・ブームで、再び炭の機能が注目され、少しずつ人々の認知を広げています。最近では竹炭の持つ様々な効力がテレビにまで採り上げられるようになりました。 竹炭の効果はまだまだ未知ですが、その代表的な一部を簡単にご説明します。


さまざまな「竹炭の効果」が紹介されているが、「水の浄化作用」や「消臭効果」はまだ理解できる。「竹炭の還元力」あたりからだんだん怪しくなってきて、「癒し効果」で完全にあっちの世界へ行ってしまう。なんでも、「竹炭のヒーリング効果は、マイナスイオンや電磁波の働きとして注目され、部屋の中に炭を置いたり、身に着けることで健康機能があることが分かってきて」いるのだそうだ。「ガン、糖尿病、肝炎などさまざまな病気に対して、自己治癒力を高め回復した実例が数多く報告されて」いるとのこと。たぶん、何にでも効くのであろう。私が気に入ったのはこれ。


■竹炭結界 炭結界の効果*2


炭結界」とはサクセス・アイが提案する、「結界」を基にした新しい概念の癒し空間づくり法です。
結界」は、地鎮祭で見られる4隅を竹で囲んだ神域のことで、竹丸太を手摺りにして四角く囲まれたお坊さんの修行する場所なども結界といいます。 結界の中は神域で霊的あるいは神的エネルギーに満ちみちていると言われています。
一方、「竹炭」は癒し効果や浄化など、現在様々な利用価値が認められています。古代の神事や、高貴な茶道社会など最高の熱源として使用されて来ている様です。
竹炭の効果は、この結界の概念を取り入れることで、よりパワーアップすることが解りました。当社では、この4隅を竹炭で囲んだ領域を「炭結界」としています。


科学の文脈から外れていることを明示してくれているという点では親切。



この様に、地鎮祭の効果のメカニズムは、一見目に見えない神憑り的なものですが、高尾征治博士(ししゃ科も研究所代表・九州大学工学博士)のゼロエネルギー理論によって、下記の様に説明されております。

地鎮祭を解く、ゼロエネルギー理論
地鎮祭では青竹によって四角形領域を形成します。 その青竹には六角ハニカム型の空隙が多数あり、竹筒はカーボンナノチューブと相似象となっているので、竹が形成する四角形の対角線を結ぶ交点にゼロ点が形成され、ニュートリノなど素粒子が対創生される。それが、聖なる空間を創り出すエネルギー源となっています。
高尾征治博士のURL http://www1.odn.ne.jp/shishakamo/


ししゃかも会キタ。一見目に見えない神憑り的なものですがと言っておいて、実のところゼロエネルギー理論という神憑り的なものであった。株式会社というからには、経済的な利益も追求しているのだろうが、「聖なる空間を創り出すエネルギー源」などという説明で果たして顧客を掴めるのか。現在の日本においてはそれなりに掴めそうなところが、何とも言えない残念な気持ちにさせられる。まあ、結界マットぐらいなら害もなかろうが、竹酢を肌に直接スプレーしたり、あろうことか気管吸入まで勧めていたりするのはアウト*3。「口にしたり、肌につけても何の害もありません」などと書いてあるが、繰り返しの使用で害があるかどうかは検証されていない。効果が不明なのに、発癌性物質が含まれているかもしれない液を、肌につけたり吸入したりする人の気がしれない。

■No.446 新野先生の夢のおかげ*4(てんつくマンの日記 )経由のネタでした。「空では、竹炭の粉が二酸化炭素を分解してくれる」のだそうだ。馬鹿には際限がない。

*1:URL:http://www.takesumi.org/01_sumi/index.html

*2:URL:http://www.takesumi.org/02_kekkai/index.html

*3:竹酢の万能効果 URL:http://www.takesumi.org/03_su/index.html

*4:URL:http://tentsuku.com/nikki/index.cgi?mode=view&no=446