NATROMのブログ

ニセ医学への注意喚起を中心に内科医が医療情報を発信します。

2005年度バッドデザイン大賞

普通、シャワーにはお湯と水の二つのハンドルがついている。ちょっと気の利いたシャワーだと、温度と量の二つのハンドルがついていたりもする。お湯の温度という二つのパラメータを調節するには、ハンドルも二つ必要であるのは自明なことだと私には思える。ところが、昨年、お台場の日航ホテルに泊まったときのシャワーには、ハンドルが一つしかついていなかったのだ(写真)。

まさに、革命的なシャワーといえよう。ハンドルをひねると、まず冷たい水が少量、ひねるにつれて水の温度および量が増えていく。このシャワーをデザインした人が何を意図していたのか激しく知りたい。審美的な理由からあえてハンドルを一つにしたのか。それとも、ハンドルを一つにすることによってコストカットを狙ったのか。シャワーを浴びている間、デザイナーを小一時間は問い詰めたい気分になったね。

どのような使い心地かは容易に想像できるであろう。冷たいシャワーを勢いよく浴びることはできない。熱いシャワーを少量だけ浴びることもできない。湯の温度を適温するための調節が難しい(これはお湯と水の二つのハンドルのシャワーでもそうだが)。なにより問題なのは、勢いよくお湯を出そうとしたら、大量の熱いお湯が出てくるということだ。危険この上ない。