NATROMのブログ

ニセ医学への注意喚起を中心に内科医が医療情報を発信します。

三冠王の帰還

11月4日の金曜日、クライマックスシリーズセカンドステージ第二戦を見に行った。岸と攝津の投げ合い。1回裏に内川のタイムリーで1点取るも、2回表に連打を浴び、2点を取られる。6回裏に本多の2塁打、内川のセカンドゴロで3進し、カブレラの犠牲フライで同点に追いついた。直後に松田のソロホームラン。3塁側の外野に限りなく近い席であり、松田のホームランはほんの20メートルほど先に飛び込んだ。

だがまだ1点差。油断はできない。8回裏に明石のヒット、多村の四球、長谷川のヒットで2アウトながら満塁。ここで代打・松中信彦。今年は(今年も)怪我でしばしば休み、規定打席には達していないものの、打率は3割を超えている。ただ、福岡ソフトバンクホークスは6回連続でクライマックスシリーズ(CS)で敗退し、その象徴が松中だ。三冠王を取った年、CS(当時はプレーオフと言っていた)で松中は極度の不振であった。その後も、CSではほとんど打っていない。しかし、今年は違った。西武の守護神・牧田の初球をライトスタンドに運んだ。代打満塁ホームラン。球場は総立ち。試合終了後も「信彦」コールは続いていた。

翌日の11月5日、12回表を馬原が無失点に抑え、7度目の正直で日本シリーズ出場を決めた。しかし、松中の本塁打が出た時点で、ほとんど日本シリーズ出場は決まっていたと言って過言ではなかろう。二戦目の勝利を確定したことに加え、「CSの呪い」「秋の風物詩」と呼ばれていた「ポストシーズンに弱いホークス」を払拭したからだ。第三戦も、10回表で1点を勝ち越した西武が、2アウト2塁でその日2安打の長谷川と勝負せざるを得なかったのは、代打として松中が控えていたことが大きいと考える。

次は日本シリーズだ。DHがないセリーグルールでは代打の重要性の上がる。きっと、松中はやってくれる。