NATROMのブログ

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ウェルズ著「宇宙戦争」


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■宇宙戦争 (講談社青い鳥文庫) [新書] ハーバート・ジョージ ウェルズ (著), 高田 勲 (イラスト), 加藤 まさし (翻訳)


子供に読ませるため借りて来た。私自身も久しぶりに読んだ。たぶん、前回読んだのは小学生のころ。オチ以外はほとんど忘れていた。「あるうぅるるう!」という火星人の声がなんとも言えない。

ところで、すんごい科学力を持っているはずの火星人が、いったいなぜだか、とっても間抜けに思えるところがある。それはなぜかを考察してみたが、オチに関わる部分なので、読んだ人だけが見て欲しい。


↓ネタばれ注意



















↓ネタばれ注意
宇宙戦争のオチは、圧倒的科学力を持っていた火星人が、地球の微生物に感染して全滅するというものである。でもそれおかしくね?だって、それだけの科学力を持っていたら、「微生物は危ない」という知識も持っていて当然じゃん。でも、宇宙服も着ずに、生身で地球をうろうろしてんだぜ。アホやん、こいつら。

実際のところは、火星人たちの大部分は、微生物のリスクについては把握していたものと私は推測する。ただし、火星人にも個性があるのだ。地球人にも馬鹿がいるだろ?ダーウィン賞を受賞するような連中だ。

おそらく、全軍に対して、微生物のリスクについて周知されていたが、それにも関わらず、馬鹿やっちゃったDQN火星人がごく一部にいたんだろう。よく旅行先なんかで馬鹿やっているDQNいるだろ。それと同じ。初めての星に来て、ちょっとハイになっちゃったんだろうね。

重大な規則違反なんだけど、思ったより大丈夫だったから、DQN火星人は黙っていた。でも、単に潜伏期間があっただけなんだね。気付いた時には、既に感染が広がっていてどうしようもない状態になっていて、地球勝利となったわけ。