NATROMのブログ

ニセ医学への注意喚起を中心に内科医が医療情報を発信します。

ぐりとぐらとくるりくらに出てくる謎の物体について

ぐりとぐら」という絵本は有名だから知っている人もたくさんいるだろう。のねずみの「ぐり」と「ぐら」が、大きな卵を見つけて、カステラにして森の動物たちみんなで食べるという話だ。森の動物たちの中には鳥や亀などの卵生の動物もいたけど、その辺は大丈夫なのか。「私の赤ちゃんがカステラに」と心の中で泣いた動物もいたかもしれない。


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それはそれとして、「ぐりとぐら」のシリーズの絵本が何冊かうちにあり、その一冊が「ぐりとぐらとくるりくら」である。ぐりとぐらが、「くるりくら」という名のやたらと腕の長いウサギと出会う話である。なぜ腕が長いかというと、「ちょっと てながうさぎに なりたかった」から「おまじないたいそう」したら腕が長くなったのだ。この辺のことは絵本の中の話であり、しかも作中では4月1日となっているのでまあよろしい。問題は、くるりくらの家でおやつを食べているときの絵である(「ぐりとぐらとくるりくら」 福音館書店 P28より引用)。


くるりくらと謎の物体
くるりくらと謎の物体(左下)

謎の物体のアップ
謎の物体のアップ

この物体はいったい何なのだろうか。強いて言えば、「新聞紙に巻かれたゴボウ」であるように見えるのだが、ひもで椅子につなげている理由が分からぬ。おまじないの類だろうか。それとも、つないでおかないと逃げるような「何か」なのか。妻とdiscussionになったのだが結論は出なかった。ブログのネタが一つできたと思ったけど、夜中の医局で絵本をスキャンしているとき、自分はいったい何をしているのかという気になったことは否定できない。

謎といえば、ぐりとぐらの関係も謎である。普通に考えれば兄弟なのだろうが、絵本には(少なくとも我が家にある分には)兄弟であるとは明示されていない。ゲイカップルかもしれないという説も。そもそも性別も不詳である。