NATROMのブログ

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足りてるのか足りてないのかはっきりしろ!

■医師数の将来予測「2015年以降は過剰」・厚労省研究班(NIKKEI NET)


全国の医師数は2015年ごろから、必要とされる人数を上回ることが29日、厚生労働省研究班の推計で分かった。入院患者は将来増えるが病院の勤務医数は伸び悩み、外来患者は減るか横ばいなのに診療所の開業医は増加する傾向にあるという。研究班は「医師数の増加ではなく、医師の配置調整が必要」としている。
研究班は同日開催された厚労省の「医師の需給に関する検討会」で明らかにした。検討会はこの推計を基に8月までに報告書をまとめる予定。

これはひどい大本営発表ですね、とかネタにしようと思っていたら、ヤフーニュースでは


■<医師不足>医学部定員5%増でも30年まで効果なし(毎日新聞)


医師の偏在や勤務医不足解消について検討する「医師の需給に関する検討会」(座長、矢崎義雄・国立病院機構理事長)が29日開かれた。医師が最も不足する場合、供給は2035年ごろまで需要を下回り、医学部の定員を5%増やしても、30年ごろまではほとんど効果がないという。

どっちなんだよう!「医師の需給に関する検討会」の資料・議事録は、ネット検索してみた限りでは、厚生労働省のサイト内にあり、「照会先: 厚生労働省医政局医事課」とある。厚生労働省研究班は、その「医師の需給に関する検討会」において、「2015年以降は医師過剰」という推計を明らかにしたと、記事からは読み取れる。厚生労働省研究班が「医師過剰」という推計を出したのにも関わらず、「医師の需給に関する検討会」全体としては、「医師不足」という結論に達したということなのかな?資料・議事録は公開されるようだから、要注目だ。