NATROMのブログ

ニセ医学への注意喚起を中心に内科医が医療情報を発信します。

バイオラバーの驚異的な効果

諸君らはバイオラバーを知っているかな?このステキな商品を紹介しているサイトがあったので引用するよ。どうしてリンクを張らないのかは、読めばわかるはず。暇な人はカット&ペーストでGo!


■バイオラバーの効果(ttp://www.asakusakid.com/bio-rubber/html/about.html)


ふつう、ラバーといえば、石油から作られています。
しかし『バイオラバー』は、炭酸カルシウムを99.7%以上含む高純度の石灰石をベースにしています。
さらに『山本化学工業』独自の技術により、ラバーはミクロの気泡によるハニカム構造(蜂の巣状)になっています。
この構造に、ある種の金属を混入させることで、人体に好影響を与えるバイオウェーブ(波長4〜25ミクロンの赤外線)が発信されます。
このバイオウェーブと人体の波長が共振することで、体の中の水分子やタンパク質分子が均一化・活性化され、代謝促進作用によって自然の治癒力が増進されるのです。
「炭酸カルシウムを99.7%以上含む高純度の石灰石」をベースにしていても、やっぱり石油から作られているのには違いないと私は思うのだが、どうなんだろう?また、「バイオウェーブ」ってのも、謎のハイパーテクノロジーのように聞こえるが、実は赤外線。別に金属を混入させなくても、常温の物体なら赤外線を出しているのだが。いやいや、「自然の治癒力が増進される」のだから、実は我々の知っている赤外線ではないのかも知れぬ。(赤外線については、■似非科学撲滅の講演  遠赤外線編 市民のための環境学ガイド が参考になる)

原理だけでなく、ちゃんと実験もしている。ラジオニクス=オムニセンスによる測定もツッコミどころだけど、ありがちな赤血球像変化の写真もある。


血液の循環が良くなるのは末蛸血管が広がるためですが、
バイオラバーを使った場合では、血管が広がるだけでなく、
血液中の赤血球が柔軟になって血液がサラサラになるために、
よりいっそう血液の循環が良くなります。
血液サラサラ、免疫力キター!!写真程度の変化であれば、水を飲んだだけでも変わりうる。それどころか、プレパラートでの観察時の手技にも影響されうる。その辺の条件が明示されていないと何の意味もない。よしんばこの写真および「血液がサラサラ」が事実であるとしても、それだけで「大腸ポリープや萎縮性胃炎にも早期ガンにも効果絶大」と書いてしまうその科学力に脱帽だ。(血液サラサラについては、■あいかわらず・・・・”血液さらさら” 内科開業医のお勉強日記 を参考に)



糖尿病には2つのタイプがあり、バイオラバーは、このうちの2型、つまりインスリン非依存型に効果があることが、臨床実験で実証されています。
バイオラバーを膵臓のある位置にあてて軽くマッサージを続けると、血糖値が下がりはじめます。
個人差はありますが、多くの症状改善例が報告されています。
適切な対照群をとっていない実験である。バイオラバーを使用しなくても、血糖値は変動するものだ。特に食後3時間後であれば、血糖は下がりつつあるところだ。バイオラバーの効果を判定するには、前後比較ではなく、バイオラバー使用群と非使用群とで比較すべき。それもブラインド条件下でだ。バイオラバーによく似た普通のゴム(石灰石やある種の金属が入っていない、石油から作られたもの)も使用し、被験者および実験者はそれがバイオラバーであるか否かを知らされずに実験する。これが、一般的な科学の手続きだ。こういうサイトで、ちゃんとした科学の手続きに従った実験であまりないねえ。ちゃんとした実験だと結果が出ないからなんだろうけど。



バイオラバー使用後3週間目より効果が現れ、ガン細胞を消すためのNK細胞が大幅に活性化し高い安定を見せました。
健康体でもガンの発生率が大幅に減少すると考えられます。
NK細胞を活性化させたところで癌に効果があるかどうかはわからない。ていうか、そもそもが、NK活性は変動していて高い安定を見せているようには見えないし。対象 n=1 のようだし。やっぱり前後比較で対照群が不適切だし。

というわけでなかなかステキな商品であるということはわかってもらえたであろう。しかし、驚くべきことは他にある。


マットLサイズ \504,000
ttp://www.asakusakid.com/bio-rubber/html/goods.html

50マンエンなり。「バイオラバーシートは、上下に敷いて寝ると、最も効果があります」とのことなので、上下そろえると100万円。たしかに、プラセボ効果抜群かも知れぬ。