NATROMのブログ

ニセ医学への注意喚起を中心に内科医が医療情報を発信します。

2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

そんで、結局のところ、甲状腺癌の患者数は?

福島県の子供に対する甲状腺検査において、2次検査で細胞診を施行された76名のうち、真に甲状腺癌であるのは何人か。既に3人の診断が確定しているため、3人以上だ、とは言える*1。前回のエントリーでは、陽性反応的中割合と「100%引く偽陽性率」を取り違え…

2013年3月23日追記

本エントリーにおいて、「特異度(= 100% - 偽陽性率 )と陽性反応的中割合を混同した誤り」の例として、津田敏秀さんのインタビューを引用したのは不適切でありましたので、津田敏秀さんおよび読者にお詫びを申し上げます。きんようブログの■福島県での甲…

陽性反応的中割合と「100%引く偽陽性率」を取り違えた甲状腺癌数の推計について

さて、本題。感度や偽陽性率といった用語の意味を確認したいときは、■特異度と偽陽性率と陽性反応的中割合とで引用した表を参考にせよ。 問題:甲状腺癌の2次検査の細胞診検査において7名が悪性と診断された。この検査の感度は90%(偽陰性率10%)、特異度…

特異度と偽陽性率と陽性反応的中割合と

問題:疾患Aの有病割合は10万人に1人である。あなたは疾患Aに関して特にリスクが高いわけでも低いわけでもなく、平均的なリスクを有している。あなたが検診で疾患Aの検査を受けたところ、陽性であるという結果であった。この検査の感度は100%(偽陰性率0%…

「A型肝炎というのは、全く怖くない」のか?

肥田舜太郎(著) の内部被曝 (扶桑社新書) [新書]の■アマゾンレビューに、「事実を曲げて不安を煽るのはいけません」という肥田舜太郎氏に批判的なvseprさんのレビューが載り、さらにそのレビューに対して岩清水宏さんのコメントがついた。現在ではそのコメン…