NATROMのブログ

ニセ医学への注意喚起を中心に内科医が医療情報を発信します。

2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

いただいたメールをご紹介します

私は2000年ごろから、■進化論と創造論〜科学と疑似科学の違い〜というサイトを開設しています。疑似科学批判のサイトとしてはわりと古いほうでしょう。「勉強になりました」「これを機会に勉強してみます」といったメールをときに受け取ることがあり、微力な…

等身大の主人公・麻酔科医ハナ

麻酔科医ハナ (1)(アクションコミックス) なかお白亜 (著)。 医師を主人公とした漫画はたくさんあるが、その主人公の多くはスーパードクターか、でなければ青臭い理想論を吐く暇そうな研修医である。医師からは、漫画の中の「名医」に対しては厳しい見方がさ…

余が脚気ミカン療法

医学論文を探すのに、いまではPubmedなり医中誌なりのデータベースがある。雑誌によってはネット経由でフルテキストを入手できる。もう空気のように当たり前になっているけれども、考えてみれば超便利。文献検索システムを作った人は偉い。さて、脚気につい…

福島県の医師は足りている

読売新聞に、福島県が緊急の医師確保素案を示したという記事が載った。 ■(地域>福島 )民間の医師、公立に派遣(読売) 県は19日、緊急の医師確保策として、民間病院から公立病院への医師派遣などを盛り込んだ「緊急医師確保対策プログラム」の素案を県地…

「水からの伝言」は科学を自称していないから疑似科学ではない?

疑似科学(ニセ科学)は「科学であるように見せかけていながら、科学ではないもの」をいう。血液型性格診断、マイナスイオン、水からの伝言、ゲーム脳、EM菌などが、疑似科学の例として挙げられることが多い。疑似科学に対してさまざまな批判がなされている…

遺伝子工学で生産された人間豚の高級肉@阿久根市長ブログ

■陰謀論にはまる市長(ほたるいかの書きつけ)経由のネタ。最近、「鹿児島県阿久根市の竹原信一市長がブログで市議の不人気投票を行っている」という報道があった。 ■「辞めてもらいたい議員名」投票 阿久根市長自分のブログで募る(J-CASTニュース) 2009年…

医師届出票を書いた

医師は二年に一度、氏名やら住所やらを届け出なければならない。医師法にそう書いてある*1。 医師は、厚生労働省令で定める2年ごとの年の12月31日現在における氏名、住所(医業に従事する者については、更にその場所)その他厚生労働省令で定める事項を、当…

神様は多分存在しない。心配せず人生を楽しもう。

■英国の公共交通機関で「無神論」キャンペーン(エキサイトニュース/ロイター) 英国の無神論者が今週、同国の公共交通機関で「神は存在せず」と通勤客らに呼び掛ける広告キャンペーンを立ち上げ、話題となっている。 英国全土の都市で運行する800台のバ…

大阪市会議員が尼崎医療生協病院を批判

尼崎医療生協病院の腹水穿刺の件に関して、医学知識なしに安易に病院側を叩くブログが出てくるだろうなあと予想していたら、案の定。 ■医療生協で、またもや医療ミス、失血性ショックで若い女性が死亡(辻よしたかプレス) マスコミ御用達の医療生協病院で、…

謝罪とミスを認めることは異なる

■腹水穿刺後の死亡についての記事比較の続報。 ■「病院はミスを認めていた」遺族の悲痛な訴え(MBSニュース) 患者は重度の肝硬変で入院していた35歳の女性で、腹部に大量に溜まった水を針を刺して抜く治療を受けました。 治療したのは20代の研修医。 1…

すべてのパーツが高品質化する超結界

車やオーディオ関係にはトンデモアイテムが多い。思い込みで効果があると誤認しやすいからであろう。燃費が良くなる程度のものはしばしば見かけるが、すべてのパーツに影響を及ぼすと主張するものは珍しい。 ■強力エネルギーフィールドでクルマを包み、すべ…

腹水穿刺後の死亡についての記事比較

35歳女性の肝硬変の患者さんが、腹水穿刺後に出血し、その後死亡したというニュース。まず、亡くなった方に哀悼の意を表します。現在のところ、ネット上では、朝日新聞社、MSN産経ニュース、神戸新聞が記事にしている。 ■研修医、治療中に血管傷つけ患者死亡…

昔時の様な治療が行われるかもという杞憂

なんでも、エジプトの遺跡や平安時代の文章にも「最近の若いものはなっとらん」的な言葉があるそうで、「昔も今も変わらない」という話の枕に使われてたりしている。一方、日本の脚気の患者数は昔と比較すると激減したわけだが、死亡者の統計はあれども、そ…

アクセスフリーの弊害

地方の中核病院に勤務していたころのこと。その病院は基本的には外来は午前中のみで、午後は急患のみ受け付けるようになっていた。救急専門の医師なんていないので、午後の急患当番を曜日ごとに決めていた。医師は不足気味であったので、午前外来・午後急患…

2級医師資格は医療費を抑制しうるか?

医療コスト削減対策として、「2級医師あるいは准医師といった資格をつくり、簡単な病気は2級医師が診ればよい」という主張をときに見かける。「医師会が既得権益を守るために反対している」という主張とセットになっていることが多い。典型的には、森永卓郎…