NATROMのブログ

ニセ医学への注意喚起を中心に内科医が医療情報を発信します。

2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

血液型性格判断の大家・田淵幸一の華麗な戦績

今さっき知ったのだが、北京オリンピック野球日本代表の田淵ヘッド兼打撃コーチは「球界きっての血液型性格判断の大家」なのだそうである。オリンピックが終わる前に批判できればよかったのだが。 ■星野熱血指導より…田淵「血液」診断野球が“えぇ!” (ZAKZA…

大野病院の産科医は妊婦を「帝王切開死させた」のか

スポニチの見出しが酷い件について。 ■帝王切開死させた産科医に無罪判決(スポニチ) 「帝王切開死させた」というのは検察側の主張である。「帝王切開死させた疑い」や「帝王切開死させたとされる」という表現ならともかく、断定的な見出しは不適切である。…

「選択肢の確保」と「規制の強化」

助産所の嘱託医がヤブだったせいで死産になったと主張される例*1。 ■【お産難民を救え 助産師はいま】(4)母としての自覚(MSN産経ニュース) 白木の小箱にわが子を納め、女性は病室で手を合わせた。妊娠5カ月で陣痛がきてしまい、出産する予定だった助産…

小径腎細胞癌の腎臓を移植しても結構大丈夫だけど

■そろそろ感染する癌について一言いっておくか(SaitoToshiki.com)で、「感染する癌」という興味深い話題が取り上げられた。感染する癌といっても人ではなくイヌの話。人の癌は感染しない。がん細胞を取り出して培養するとよく増える。しかし、ある人のがん…

ニセ科学に騙された?カール・セーガン

いい加減食傷気味ではあるが、日本パイプクラブ連盟にまた興味深い論説が掲載された。 ■北京の大気汚染の元凶は?*1(日本パイプクラブ連盟) 嫌煙派の医者は、「肺癌は煙草が原因」「副流煙はタバコを吸わない人の健康を脅かす」と主張していますが、これは…

私も、「上から目線」を反省してみました

「上から目線」を反省してみました(Liber Studiorum)を読んで、私も反省しました。 私もアカデミックな議論にかぶれて、人間としての温かい心を忘れてしまっていたようです。 他人に対して「お前にこそ馬鹿の壁がある」なんて言葉を投げつけるなんて、氷の…

みんなそんなに借金好きか?

もともと私にはクレジットカードを使う習慣はなかったのだが、ETCカードやアマゾンの支払いのために契約した。毎月カード会社から利用明細と一緒に送られてくる広告に、いかに「リボ払い」が便利で有用であるかが記載されている。「リボ払い」がなんなのか初…