NATROMのブログ

ニセ医学への注意喚起を中心に内科医が医療情報を発信します。

2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧

既住症

医師気象室発作(いしきしょうしつほっさ)、急性膜症(きゅうせいまくしょう)に続く間違った医学用語シリーズ。 ■既住症でGoogle検索 現時点で149件も引っかかる。自筆ならありがちだけど、パソコン上で既住症と書いている人は、いったいどのように入力し…

神経性食欲不振症の死亡率は意外に低い?

神経性食欲不振症(anorexia nervosa)は、若い女性に多く、食行動の異常、極端な低体重、体重や体型に関する認識の障害を特徴とする。拒食症とも呼ばれることがある。精神疾患の一種とみなされているのであるが、id:macskaさん経由で、神経性食欲不振症を「病…

ダウン症治してよ

こないだ紹介した■ダウン症の治し方の続き。 ■オレ原始人!(人力検索はてな) 助けてよ! ダウン症治してよ! みんなでやれば、出来ます! 出来た方にはポイントまたは現金を要るだけあげます!! 今から稼ぎます! よろしくお願い致します。 http://plaza.…

山崎正利教授の天下無敵反証不能理論

ちなみに、山崎正利教授の原著論文を探していたら、 Biosci Biotechnol Biochem. 1992 Jan;56(1):152. Inhibition by perilla juice of tumor necrosis factor production. という論文を発見した。「シソジュースによるTNF産生阻害」という論文ですな。はい…

ファイトケミカル〜野菜汁を注射して白血球を活性化しよう

このごろの毎日新聞の医療関係記事は目が離せない。mixiの「【最終警告】本当は怖い健康情報」コミュニティ経由で、以下の記事を読んだ。 ■ファイトケミカル:「第7の栄養素」 がん予防、アレルギー改善の力秘め*1 ファイト(phyto)=ギリシャ語で植物の意…

世界日報社からスパム

頼んでもいないのに世界日報社(ヘッダからも確認済み)から以下のようなメールが来たよ。 Subject: Wニュース:ダーウィン進化論の終焉 こんにちは、世界日報社のニュースをお届けします。 ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ダーウィン進化論の終焉 ■h…

臨床環境医学

化学物質過敏症といって、農薬や食物添加物といった化学物質や、重症になると電磁波によってもさまざまな症状が引き起こされるとされる病気がある。私は、■化学物質過敏症に関する覚え書きで述べたように私は化学物質過敏症という概念に懐疑的なのだが、それ…

愛国心の遺伝子

教育基本法を改正して、子供たちに愛国心を身につけさせたい人たちの中に、ドーキンスもびっくりの主張をしている人がいたよ。 ■「今こそ教育基本法の改正を!」 緊急集会を開催の中の、「愛国心―国家的に物事を考えること」 岡崎久彦(博報堂岡崎研究所所長…

ダウン症の治し方

人力検索はてなの質問より。ダウン症を治したいという親の真剣な願い。 ■真剣にお願いします! 私には障害を持つ子供があります! ダウン症です! 染色体異常です! 現代医学では治せません! 現在二才ですがまだ歩く事もままなりません! 話もままなりませ…

インフォームドコンセントのコスト2

inoue0さんが、同意書の多さに呆れたというエントリー■何をするにも同意書(ハードSFと戦争と物理学と化学と医学)を書いておられた。現状のような多くの同意書が必要かどうかについては、臨床医であれば誰でも疑問に感じたことがあるだろう。よく冗談で、そ…

衛生仮説はガセネタではない

衛生仮説とは、簡単に言えば、過度に衛生的な環境がアレルギー性疾患のリスクを増やすという話。こちらの先生は衛生仮説に批判的である。 ■衛生仮説はガセネタだろう?!(Dr Blue) 衛生仮説というのをご存知だろうか?これが今のアレルギーの話しでトレン…

医師不足を論じた毎日新聞の社説

医師叩き一方であった大手新聞の論調が、最近変化してきた。B29による本土爆撃がはじまってから「これはやばいんちゃう?」とやっと気付きはじめたという感がないでもないが、それでも以前に比べたら大進歩。 ■社説:医師不足 地域医療を崩壊させるな(毎日)…

九大でごめんなさい

「ししゃ科も会」+水からの伝言を、apjさん@水商売ウォッチングが捕捉した。 ■また九大か…… (事象の地平線) 日本物理学会2006年秋季大会(9月20日(水)―23日(土)、奈良女子大学)で以下のような発表があるらしい。 言葉が水の氷結状態と水中元素…

ダーウィン進化論の終焉

進化論ってのは、昔っから学会で公式に否定されたり、崩壊したり、死亡診断書が書かれたりしている。現在の進化生物学の発展ぶりを見ると、実は誤診で脳死に到っていなかったのかもしれない。さて、いろいろと大変な進化論だが、今度は終焉したらしい。世界…

更新するのはたいへんだろうね

■「IDインテリジェンス・デザインというものがある」でgooブログ検索 なぜかまったく同じ内容のブログが11件ある。おそらくパクリとかではなく、作者が同じ人なんだろう。たくさんブログを持っているんだね。内容にツッコミ入れるのなら、鵜浦裕の『進化論を…

1人で談話室

■ツリー型医療と法律の談話室 とりあえず、これは談話室でもなんでもないと思います。「医療と法律の交差点でお話してみませんか」とありますが、お話しているのは1人だけです。論点維持型のコミュニケーションにトライしているのだそうです。コミュニケー…

胎内記憶

毎日新聞が胎内記憶について好意的な記事を書いていた。横浜市の産婦人科医、池川明さんによる調査。 ■胎内記憶:幼児の3割が鮮明に語り 横浜の産婦人科医が調査*1(毎日) 調査は02〜03年、長野県諏訪市と塩尻市の36保育園と2幼稚園で、1620人…

遅滞遺伝とどう違うのだろう?

医学・科学系のニュースサイトで知った、非メンデル遺伝のメカニズムの一つが解明されたという記事。 ■遺伝情報はDNA以外によっても伝達される(Dr 赤ひげ.COM) ヒトゲノム(ヒトが核内にもつDNAの1セット)に存在する何千もの遺伝子はすべて、両親からそ…

パラサイト式血液型診断〜藤田紘一郎がトンデモさんリスト入り?

■パラサイト式血液型診断 藤田紘一郎著「血液型による性格判断にはちゃんと科学的根拠がある。偉い教授がそう書いている」と言っている人がいたので、「どこの教授だよ?竹内久美子じゃないだろうな」と突っ込んだら、東京医科歯科大学名誉教授である藤田紘…