NATROMのブログ

ニセ医学への注意喚起を中心に内科医が医療情報を発信します。

喫煙所が目の前にあるのに

何度か入退院を繰り返している友人から聞いた話なのだが、病院の喫煙所が廃止されて施設内全面禁煙になるという噂が流れたとき、喫煙者の有志が吸殻拾いをやったとか。マナーの悪い喫煙者のせいで喫煙所が廃止されてはたまらんというのが動機。その甲斐があったのかどうかはわからないが、今のところは喫煙所は健在であるのは、前回紹介した通り。ちなみにその友人は喫煙者。腸疾患で経口摂取ができず、1日数本のタバコを楽しみにしている患者さんの話もその友人から聞いた。

吸殻拾いの話からもわかるように、マナーを守らず、禁煙であるはずの場所で喫煙する不届き者は一定の割合でいる。これが、敷地内禁煙で、でもニコチン依存でどうしようもなく、我慢できずに隠れて吸ってしまうというのなら理解できる。しかし、喫煙所が目の前にあるのに、わざわざ禁煙の場所で堂々とタバコを吸っている人の存在は、私には理解し難い。出入り口近くのベンチで、人通りも多く(その中には患者さんもいる!)、たとえ禁煙の表示がないとしても、まともな神経の持ち主なら喫煙は遠慮しようかという場所なのに。





灰だらけ。禁煙の掲示と喫煙場所の案内があるのに


喫煙所の案内は示されている。ていうか、道の反対側に喫煙所が見えている。距離にして30mぐらい。もちろん、禁煙の表示も出されている。なんだって、わざわざここで吸うのだろう?喫煙所まで移動するのが面倒くさいのか?他人のタバコの煙を吸うのが嫌なのか?禁煙の表示が理解できない馬鹿なの?猫猫先生なの?こういう人たちは稀な例外だと言いたいところであるが、私が観察するところによると、天気の良い日は誰かがベンチで吸っているような状況である。喫煙所を廃止して施設内禁煙にしても、やはり彼らはどこかで吸うのだろう。