NATROMのブログ

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使い捨てカイロは常温核融合によって発熱する?

911陰謀論はトンデモの玉手箱だ!ネタになりそうなことは山ほどあるけど、これは特に国会議員の発言ということで取り上げる価値がある。風間直樹(風間なおき)氏は新潟県議会議員を経て、2007年より参議院議員となる。国会災害対策特別委員での発言。強調は引用者による。

■第168回国会 災害対策特別委員会 第3号


 委員の皆様にはお手元にお配りしました資料をごらんいただきたいと思いますが、最初の資料の一―一、こちら、今私が申し上げましたいわゆるプレートテクトニクス理論と言われる、ふだん我々が持っている地震が発生するイメージでございます。
 今私が指摘をしました、どうも新しい原理によって起きているのではないかといいますのが、この資料の一―二でございます。ここに化学式を書いております。私もどちらかというと文系なものでございまして、余りこういったものには造詣が深くないんですが、調べてみますと、このFe+H2O、Feというのは鉄でございます。H2Oは御承知のとおり水でございます。これが触れるとH、つまり水素を発生させる、こういう原理がございます。
 これはどういうことかといいますと、地中に水を注入し、そこで地中にあった鉄ないし鉱分と水が接触した結果、水素が発生すると。これは化学的な原理として当然なわけでありますが、この発生した水素が地中深くで滞留をすることによって水素原子が自身で核融合を起こして、それが地下爆発につながっているのではないかという、これが最近唱えられている新たな地震の理論でございます
 これ簡単にどういうことかと申しますと、今日こちらにホッカイロを持ってきたんですが、この原理と同じでございます。このホッカイロを今私が封を開けて取り出しますと、空気中に含まれている水分とこのホッカイロの中の鉄分が反応して熱を生じます。これがこの化学式の意味するところでございます。
 さて、そうすると一つの疑問が浮かぶんですが、一般論として、先ほど新潟県内でこういった行為が行われていますということに触れましたが、事業者の方々が天然ガスや石油を増産するためにガス田や油田に水を注入する、こういうことがよくあるわけですが、これはどういう理由で行っていらっしゃるのか、そのことをちょっと御説明いただければと思います。


「どちらかというと文系」ってレベルじゃねーぞ。「新しい地震の理論」はもちろんとして、風間議員は使い捨てカイロの原理すら理解していないわけである。言うまでもないが、使い捨てカイロは、空気中の酸素(水分ではなく)と鉄分が反応して熱を生じる。

注水が地震の引き金になりうるという話はある。たとえば、■新潟地震に人為が関係しているという説(5号館のつぶやき)、■水で地震を起こせるか?(海の研究者)など。そのメカニズムは「地下深くの断層面まで水が浸み込むことで、滑り出しの“潤滑剤”になる」のであり、当たり前の話だが核融合などという話は出てこない。

風間議員も、そういうまともな話をすれば良かったのだろうが、いったいどういうわけだか、トンデモな方向へ行ってしまったようで。911陰謀論者に発言を利用されてしまっている*1。そんな風間直樹氏が所属する政党は、もちろん民主党だ。


*1:地震=核融合説が国会質問に!(独立党のブログ) URL:http://dokuritsut.exblog.jp/i11/