NATROMのブログ

ニセ医学への注意喚起を中心に内科医が医療情報を発信します。

「ニセ医学」本が発売になりました

■ 「ニセ医学」に騙されないために』が本日発売になりました。すでに、さまざまなご意見、ご感想をいただいています。本当にありがとうございます。見本は出版社からいただきましたが、本屋で売っている現場をまだ見ていません。通勤途中の本屋に一軒だけ寄りましたが、残念ながら売っていませんでした。

しかし、すでにツイッターなどでいろんな方が「届いたよ」「売っていたよ」と教えてくださいました。中にはコーナーまで作ってくださった書店員の方もいらっしゃいました。

本当にうれしく思います。「とりあえず解説文だけでも読んでみて下さい」とありますが、片瀬久美子さんのブログで読むことができます→■NATROM本『「ニセ医学」に騙されないために』解説文

本を書くのは思ったより大変でした。それなり長いことブログを書いてきた経験もあって、本を書こうと思えば書けるだろうと考えていたのですが、本を書くのとブログを書くのはだいぶ違います。ブログは書きたいときに書けばいいのです。ノルマも締切もありません。心のどこかにある「書く気スイッチ」がオンになったときに書いていました。『「ニセ医学」に騙されないために』もかなり自由に書かせていただきましたが、いつでも「書く気スイッチ」がオンになるとは限らないのです。結果として、書き終わるまで思ったより時間がかかりました。

そんなわけで、じっくりと書いていたのですが、そうしているうちに昨年(2013年)の秋に似たようなコンセプトの本が出版されました。当ブログでも紹介した■「謎解き超科学」です。さまざまな「超科学」について「謎解き」をするという本で、「謎解き超科学」で扱われている「超科学」は全部で31項目。ちなみに『「ニセ医学」に騙されないために』で扱った「ニセ医学」は全部で30項目です。

コンセプトが似ているだけではなく、ホメオパシー、オーリングテスト、千島学説など、まるきりかぶってしまった項目もあります。当時の私の心境はこんな感じ→■「ダブってしまった」の画像検索。ただ、実際に読んでみると、同じ題材を扱っていても視点や重視する論点が異なっていました。同じ豚肉を素材にした料理でも、とん汁と豚肉いためが異なるようなものです。「謎解き超科学」と『「ニセ医学」に騙されないために』の両方を買った方は、読み比べてみるとよいかもしれません。とん汁も豚肉いためも、どちらも美味しいよ。