NATROMのブログ

ニセ医学への注意喚起を中心に内科医が医療情報を発信します。

kikulogにABO FANさん出現

「まん延するニセ科学」の菊池誠さんとこのコメント欄が熱い。


■血液型と性格(kikulog)


2006年9月のエントリーだったのだけれども、今年(2007年)の5月になってABO FANさんが突入。きくちさんの辛抱強い対応に注目。ABO FANさんを説得するのは不可能であるが、ギャラリーを意識してのことかもしれない。しかしどうなんでしょうかね、概ね血液型性格診断*1はニセ科学であると認識されており、信じる人でも「科学的ではないですが、やっぱり性格と関係あるよね」というように科学的には否定されていることを承知した上で信じていることが多いようである。血液型と性格の関係についての科学的証拠にこだわる肯定論者はそうはいないのではなかろうか。だとすると、ギャラリーは既に血液型性格診断がニセ科学であることを理解している人が大多数ということになる。しかし、ABO FANさんのサイトでは「【お知らせ】 現在、kikulogの血液型と性格で議論が進行中です!*2」というページを掲示している。となると、それなりに読者がいるのであろうか。

かのページには私のエントリーについての記述もあったが、改めてABO FANさんの読解力のなさに脱力した。



 ついでに、リンクのあるNATROMさんのブログも読んでみたのですが、2000年のNatureの論文を紹介し、「胃腸管に関するいくつかの形質に弱い相関が認められる以外には、血液型と疾患の相関については再現性よく示されたものはない」とあります。しかし、これと正反対(?)と思われる『「O型は梅毒に感染しにくい」ことを前提として受け入れるとしても』ともあります。素人の私が考えても、この両者が同時に成り立つはずがありません。
 なぜなら、梅毒は胃腸管経由の感染症ではないからです(違うのかな?)。言い換えれば、梅毒は「胃腸管に関するいくつかの形質」に含まれませんから、それなら『「O型は梅毒に感染しにくい」ことを前提として受け入れるとしても』は冗談と考えるしかありません(違うのかな?)。
 ちなみに、手元の資料では、梅毒と血液型の関連性は2000年以前に研究されているようですから、逆にNatureの論文の結論は信用できない(?)のかもしれません。はて?


リンクのあるNATROMのブログとは、■パラサイト式血液型診断〜藤田紘一郎がトンデモさんリスト入り?である。このエントリーでは「血液型と梅毒感受性の相関は示されていないし、よしんば相関があったと仮定しても血液型と性格の相関が生じるとは言えない」と論じた。ええと、ABO FANさん以外に理解できない人いるかい?ABO FANさんは、仮定法を理解できないのか、それとも冗談と考えるしかないのであろうか。ABO FANさんにかかると、



「宿題やってくれる道具貸して」
「そんなものない!たとえあっても貸さない!」


ABO FAN 「『宿題やってくれる道具はない』と言いつつ、『たとえあっても』と正反対(?)と思われることを言っている」



「博士の居場所はどこだ?言え!」
「知らないわ。知っていても教えない」


ABO FAN 「素人の私が考えても、『知らないわ』と『知っていても』の両者が同時に成り立つはずがありません」


となるのだろうか。「梅毒と血液型の関連性は2000年以前に研究されているようですから、逆にNatureの論文の結論は信用できない(?)」については、説明するのも馬鹿馬鹿しいけれども、2000年以前の梅毒と血液型の関連性は再現性よく示されていないというだけで、いったいなんでまたNatureの論文の結論は信用できないことになるのか意味不明である。


*1:きくちさんの言う「血液型から性格を言い当てる」ほどの強い相関があるという話ね。ちなみにABO FANさんは『いわゆる「血液型性格判断」は正しいとは思っていません』とのことであるが、能見親子のやっていたことはニセ科学と認めるのであろうか?

*2:URL:http://www010.upp.so-net.ne.jp/abofan/kikulog.htm