NATROMのブログ

ニセ医学への注意喚起を中心に内科医が医療情報を発信します。

肝臓の酸素

こないだタクシーに乗ったとき、運転手さんが「いや〜、こないだの人間ドックで、肝臓のサンソが高いって結果が出ちゃってねえ」と言ってきた。肝臓の酸素というのは、エコーガイド下で門脈および肝静脈を経皮的に穿刺・採血を行い(肝動脈は穿刺困難なので大腿動脈血で代用)、肝臓での酸素消費量を推定する検査*1のことであろう。肝機能が低下すれば肝臓での酸素消費量が低下し、健常者と比較して肝静脈血の酸素分圧が高く出るのである。って、よく考えたら肝臓の酵素(こうそ)のことでした。

*1:こんな検査はありません。念のため

医師気象室発作

人工気象室では、「温度、湿度、日射、降雨、降雪、風など、自然の気象条件を実験室内で再現できる」。過酷な気象条件に曝露された場合、どのような健康障害が生じるのか予測できない。よって、実験者の健康を守るため、常に医師が待機しておかねばならない。しかしながら、その医師自身がしばしば発作を起こしてしまうのだ。って、意識消失発作(いしきしょうしつほっさ)の誤変換だったんだけど。