本
■鼻行類―新しく発見された哺乳類の構造と生活 ハラルト シュテュンプケ (著), Harard Stumpke (原著), 日高 敏隆 (翻訳), 羽田 節子 (翻訳) こないだからの馬鹿右翼理系保守関連で、山形浩生による竹内久美子批判(■竹内久美子:女のオヤジ)を紹介した。そ…
実家に「日本人はどこからきたか 新・日本人起源論の試み」(埴原和郎編、小学館)という本がある。父が買ったのであろう。1984年初版であるから、ざっと20年前だ。言語学や骨学に関する章と並んで、「集団遺伝学からみた日本人」という尾本恵市による章があ…
■自由は進化する ダニエル・C・デネット (著), 山形 浩生 (翻訳) ダーウィン進化論に反対する人たちの言い分の中に、ダーウィン進化論は道徳を破壊する、というものがある。ヒトが神に似せて造られた創造物ではなく、突然変異と自然選択によって進化してきた…
■時間の分子生物学 時計と睡眠の遺伝子(講談社現代新書)粂和彦著。著者紹介には「専門は分子生物学。生物時計と睡眠のメカニズムを研究。内科医として睡眠障害の診療も行う。雑誌『Cell』『Nature』『Science』等に論文を多数発表」とある。研究も臨床もか…
■ダーリンの頭ン中小栗左多里 & トニ−・ラズロ 著。小栗左多里が漫画家で、トニ−・ラズロがその夫。トニ−はハンガリーとイタリアの血を受け、アメリカで教育を受けたとのこと。前作の■ダーリンは外国人では、生活する上での価値観の違いが描かれていて、こち…
■ヒトはなぜするのか WHY WE DO IT : Rethinking Sex and the Selfish Gene ナイルズ・エルドリッジ (著), 野中 香方子 (翻訳)まだ未読なんだけど。アマゾンによる「出版社 / 著者からの内容紹介」から引用 ドーキンスの「利己的遺伝子」はまったくのフィク…
■百億の星と千億の生命 カール・セーガン (著), 滋賀 陽子 (翻訳), 松田 良一 (翻訳)高校生のとき、私にとってのヒーローは、アイザック・アシモフ、リチャード・P・ファインマン、そしてカール・セーガンだった。高校の図書室で彼らの本を読みまくって、今…
■ふしぎな たね 美しい数学 安野光雅 (著)以前、津和野の安野光雅美術館へ行ったときに買った本。安野光雅の絵本、とくに数についての絵本は大好きだ。出版元の童話屋のホームページによれば、数学者の森毅が文を書いたらしい。「ふしぎな たね」は、こんな…
■確率の理解を探る―3囚人問題とその周辺 市川 伸一 (著), 日本認知科学会 (編集)3囚人の問題を、諸君らも一度くらいは目にしたことがあるだろう。答えを聞いて、そのときは理解したようなつもりになっていても、本当に理解しているとは言えない。私も、本書…
■クリティカルシンキング 不思議現象篇古典ではマーティン・ガードナー の奇妙な論理や、有名なところではトンデモ本「と学会」のトンデモ本の世界といった系統の本。「不思議現象(原文ではWeird things)」とは、超自然現象・超常現象などと呼ばれているも…
■科学する麻雀EBM(Evidence Based Medicine:根拠に基づいた医療)というものがある。医療において、医師の個人の経験や勘だけに頼るのはやめて(それも大事なんだけどね)、客観的な情報を利用しようってこと。たとえば、薬Aを使用したらよく効いた、薬Bはあ…
■>シリーズ パズルランドのアリス1 ■>シリーズ パズルランドのアリス2レイモンド・M・スマリヤン著。スマリヤンは、論理パズルの本をたくさん書いており、本書もその一つ。私が持っているのは1985年初版のハードカバー。いつのまにか文庫になっていた。GJ!ハ…
■虫を愛し、虫に愛された人―理論生物学者ウィリアム・ハミルトン 人と思索(長谷川真理子 編) ダーウィン進化論は科学的に正しい仮説として科学者集団に受け入れられているが、創造論者の宣伝やトンデモ本の影響なのか、「神による創造」を認めることはしな…
■嘘つき大統領のデタラメ経済経済学にはずっと前から興味を持っていた。いわゆる「文系」に分類される学問で、もっとも理系的なものだろう。というわけで経済学に関してちょこちょこと本を読んでいたりするのだが、どうも経済学者(と自称している人々)の中…
■生物科学Volume 56,No.1。買っちゃった。昨年の12月に、アメリカの公教育における進化論教育について考える研究会が行われたのだが(参考)、そのときのEugenie C. Scott(ユージニー・C・スコット)博士による講演の翻訳が読める。ある程度の知識がある人…
■ナショナル ジオグラフィック 日本版 11月号 [雑誌]。買っちゃった。「ダーウィンは間違っていたか?」という問いの答えはもちろんNoだ。「いや、ダーウィンが唱えた生物の進化を裏付ける事実は次々に見つかっている。」この雑誌のウリは写真だろう。ハダカ…
副題が「数字オンチのための投資の考え方」。ジョン・アレン・パウロス著。原著は、2003年。原題は"A Mathematician Plays the Stock Market"。「天才」数学者なんて書いていない。まあ自分では書かないわな。数学者が書いた本だが、とくに難しい数式が出て…
アンドリュー・ブラウン著、長野敬+赤松真紀訳、原著は1999年、訳本は2001年。ステルレルニーがNHKの野球解説者だとすれば、ブラウンはお昼のワイドショーの司会者か(ただし、この司会者はきわめて知的である)。この本は(私から見れば)どちらかというと…
キム・ステルレルニー著、狩野秀之訳、原著は2001年(ちなみにグールドが亡くなったのが2002年)。タイトルがあまりにもそのまんまなので、商売目的で書かれたものかもと思ったけど、ちゃんとした本でした。著者のステルレルニー(Kim Sterelny)は、カバーの…
スティーヴン・ウェッブ著。松浦俊輔訳。原著は2002年。やっと読み終えた。これだけの本を書くのには、著者の専門である物理学だけでなく、進化生物学、社会学、数学、言語学などの幅広い分野の知識が必要であったろう。なにより必要なのはSFの知識かもしれ…
ジョン・オルコック著 長谷川眞理子訳 原著は2001年。著者も訳者も信頼できそうで、社会生物学についての見解を知るには役に立つだろう。タイトルがなかなか凄い。内容も、タイトル通りというところ。社会生物学については、誤解に基づいた的外れな批判がな…
なにげにアマゾンで「ドーキンス」を検索してみると、ドーキンス VS グールドってのを発見。これって、あのドーキンスとあのグールドだよなあ。
大場秀章著 新潮選書「小さなサラダ植物百科を目ざしている」という本書、学名の由来や、あまりなじみのない野菜(エンダイヴやアーティチョークって知ってる?)の話など退屈な部分もあるが、キュウリやセロリやキャベツといったよく知っている野菜の話にな…
先日亡くなったフランシス・クリックは、人間の心や意識と脳の問題に取り組んでいた。本も書いている。読む価値は十分にあるが、問題なのは訳した人。中原英臣+佐川峻訳。ウイルス進化論の人ね。原題は、The Astonishing Hypothesis, The Scientific Search…
■生命 この宇宙なるもの フランシス・クリック著 中村桂子訳 思索社 原著は1981年。日本語訳は1989年。クリックが亡くなったことから、何かクリックの著作を紹介しようと思ったわけで、今は手に入りにくいかもしれないが*1、「生命 この宇宙なるもの」を選ん…
■疫学 -医学的研究と実践のサイエンス-(メディカルサイエンスインターナショナル)は図が多くかつカラーで見やすい。また訳語が工夫されており、お勧めできる教科書である。とてもいい本だと思う。ただし、いくつか読んでいて気になった点があるのでここで…
■病気になるサプリ 危険な健康食品 (幻冬舎新書) 左巻 健男 (著)「ニセ科学を斬る」といった特集もやった「理科の探検(RikaTan)誌」編集長でもある、左巻健男氏による著作。監修は、以前より健康情報に関する情報を提供してきた小内亨医師。 内容は健康食…
■好奇心の赴くままに ドーキンス自伝I: 私が科学者になるまで リチャード ドーキンス (著), 垂水 雄二 (翻訳)ドーキンスの自伝。翻訳は安定の垂水雄二。ドーキンスをよく知らない人は読まなくてもいい(まず「利己的な遺伝子」を読もう)。自伝といっても先…
■不定愁訴のABC Christopher Burton (著), 竹本 毅 (翻訳)臨床医向け。原著者はイギリス人。「不定愁訴」は原著では"Medically Unexplained Symptoms(医学的に説明できない症状)"。若干ニュアンスが異なるが、これ以上の良い訳は思いつかない。重大な疾患…
■わたしは誰、どこから来たの―進化にみるヒトの「違い」の物語 スフォルツァ (著)■文化インフォマティックス―遺伝子・人種・言語。 [単行本] スフォルツァ (著)原著はそれぞれ1993年および2001年。久しぶりにこの手の本を読んだ。基本は遺伝学の本。著者(「…